先輩と後輩。after story.2

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「Aちゃん、
ちゃんと俺のこと見えてる？
・・・・・・・・1+1は？」








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「・・・・よんじゅーきゅう」


「ふはっ、」





お店の前でふらつく私に
眉毛を下げたまま声を上げて笑う北山さん。
面白おかしそうにお腹を抑えると、
やべぇ腹筋割れるって。






「酔っ払いじゃん。
Aちゃんの泥酔姿レアかも〜」



「····笑ってないで心配してくださいよ」





頭は痛いし、視界は歪むわで
とにかく普通ではないことは分かる。





「目の前でおかしいぐらいに
ビールに溺れてるAちゃん
めっちゃ面白かったわ。楽しかった、あんがと」


「北山さんっ！！」





目の前にいたんだから
もうやめとけ、とか
少しぐらい止めに入ってくれてもよかったんだよ？


そうすれば、ここまで来てなかっ···








「·····自分のせいです、ごめんなさい」



「ふはっ、Aちゃん最高」





“大丈夫だよ、ちょっと待ってて”





少し私から離れると
ポケットから携帯を取り出して
画面をスクロールしている北山さん。





「····あ、もしもし？」





すると、すぐに会話を終えて
また電話を掛け直してる北山さん。

小さな声で話しているせいで
何を話しているなかも分からなくって
ただ会話が終わるのを気長に待っていると、
さらにふわふわしてくる頭。







「Aちゃん、お待たせ」



「あの、誰に電話掛けてたんですか？」



「Aちゃん結構酔っちゃってるからさ、
玉森に送ってもらおうと思って。
一緒に住んでるんでしょ？」



「······あっ、はい。
わざわざすみません」




「でもまだ帰れそうにないんだって」




「····あー、そうですよね。
すみません、ありがとうございました。
タクシーで帰るので大丈夫ですよ」




「だから藤ヶ谷呼んどいたし」









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「・・・・え？」



「もしかしたら
まだ会社残ってるかな、って思って
電話してみたらちょうど、
今から帰るところだったからって」







今向かってくれてるからさ、って。
そう平然と言い放つ北山さんに
私は全く動けないでいた。

酔いも完全に覚めて
頭だってもうちゃんと動いてる。

なのに、状況だけは理解出来ないでいた。







一体、どうしろと言うんだろう。
今から私はどうしたらいいの？

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