先輩と後輩。after story.2

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「······好き、っていうか
かっこいいとは思いますけど、」



「どこがかっこいい？」









・・・・なんでだろ、
目が合えば合うほど
胸が締め付けられて泣きそうになる。

視線が重なるだけで、
こんなにも心臓が忙しくなる。









·








「········俺は、」









·









「あっれー？
Aちゃんとふじがやがだぁー。
てか、ここどこぉ？・・・ん？どうした？」







目を覚ました北山さんが
私たちを不思議そうに眺める。









さっきの言葉は何だったんだろう。









─────── “ 俺は・・・・”









俺は、何？
·····何を伝えようとしてた？
ちゃんと前、区切り付けたはずじゃんか、

聞きたくないのに、
それよりも言葉の先が知りたい。






「北山さんが酔った勢いで
寝ちゃってたんですよっ？」



「あ、そうなの？なんかごめんねー」



「大丈夫ですよ、
すみません、私お先に失礼しますねっ、」



「A？」







頭を下げて藤ヶ谷さんの元から離れる。
逃げたんだ、私。

怖くなって、
また昔みたいにみんなの関係が崩壊することが
こんなにも怖くて、







·









「······A？」



「········ゆうたっ、」



「ちょ、あっち行こ」






こんな馬鹿みたいな泣き面で現れた私に
裕太は目を丸くして外まで連れ出した。

ごめんね、勝手に怖がって
勝手に裕太に色々とぶつけちゃって。






こんなにも幸せな日なのに。
ただ普通に幸せを貰いに行こうと
思っていただけなのに、


楽しそうに友達と話していた裕太と、
ずっと真っ直ぐな太輔を見て、
私は正直怖くなった。


理由は分からないけど、
この幸せがどこかに行っちゃいそうな気がして怖かった。








「········A、大丈夫から」




震える私を落ち着かせようと
強く抱きしめて離さない裕太。
裕太の香りに包まれて、
こんなにも大事にされているのに。

私が太輔の元を離れる寸前に見てしまった
すごく切なそうで苦しそうな顔が
私の頭を占領して離れない。







「······裕太、大好きなの」



「うん、俺もだから」









嘘なんかついていない。

私は、この人と幸せになりたいんだ。

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