先輩と後輩。after story.2

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「····別に、気遣わなくていいよ？」





ニカちゃんは何も悪くないのに
私と裕太のことで気を遣わせてると思うと
なんだか胸が苦しくなるし。





「······そうすか、」





そもそも家に呼んでまで
私のことを励まそうとしてくれた
ニカちゃんの気持ちが嬉しいし、
私は今、胸がいっぱいだよ。






「ねぇ、ニカちゃん、」


「はい？」


「·······なんで家に呼んでくれたの？」





周りから聞いた話だと、
ニカちゃんは潔癖症で
人を家に呼ぶのを極力拒んでいると聞いた。


なのに、なんでこんな私を
家にまで招いてくれたのだろう。
そこは、すごく気になる。






「·······話したい話があったから。」






急に低くなった真面目なトーンに、
普段のニカちゃんのからは聞き慣れなくて
私まで緊張してしまう。







「·······それって玉森くんの


「なんだよこの部屋！！！」







「·······え？」






「うわぁ、キレイすぎて居心地悪いわ。
なんだこのテーブル。こたつもないのよ。
風邪ひいたらお前のせいな。
なんでシングルベッドなんだよ！！
お前と寝るとか俺絶対無理なんだけど。」






急に大きな声で話し始めて
あっという間に終わってしまった話は、
なぜかピンときてしまった。
それがニカちゃんの言葉じゃないってことも。
誰の言葉かってことも。







「それって······、」


「ここの居候が俺に放ったセリフ集です。」






ねぇ、優香ちゃんの部屋に
泊まったんじゃなかったの····？

私が家で一人で泣いてた時、
本当は裕太も居場所がなくてここに来てたの？






「あいつって、
俺には態度すんげぇでかいんすよ。
でも、それは強がってるだけだと思う。
寂しいのに、今一番甘えたい人がいなくて。
それをごまかすために、
寂しくないって自分に言い聞かせるために
こんなことを言ってるんだと思う。」




ニカちゃんの言っていることは、
本当に全部正論だと思う。

本当は、私が一番
そばにいてあげなきゃいけなかったのに。







「あいつ、もうすぐ帰ってきますよ。」


「······えっ？」


「あいつの第二のホームですからね。ここ。」






これは、ニカちゃんが用意してくれた
最初で最後の、ちゃんと気持ちを伝えるチャンス。

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