先輩と後輩。after story.2

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「ねぇ、A？」


「······ん？」




夜、裕太は
ベッドで向かい合わせに私を抱きしめた後、
優しく頭を撫でながら尋ねてきた。





「ミツの結婚、どう思う？」




私もそれ、考えてた。
仕事中も二人のことが頭から離れなくて、
今も考えていたら寝付けなかったところ。




「·····んー、やっぱり長年付き合ってたし
絶対に結婚はするだろうなって思ってたけど、
本当に結婚するんだと思うと
まだ実感が湧いてない、かな？」



「そうなんだよね、俺も実感ない。
でもいつかはさ、急に赤ちゃんなんか
連れて来る日が来るんだろうね」



「ふふ、うん」




“これ、俺のベイビー！”

なんて慣れたように抱っこして
いつの間にかお父さんらしくなって、
優しく赤ちゃんを見つめながら微笑んでそうな北山さん。



そしてしっかり者のまきは、
ちゃっかり北山さんを尻に敷いて
私が知らないうちにお母さんらしくなってそう。




勝手な私の妄想の中でもお似合いな二人の結婚は、
本当に羨ましくて何故か私の頬が緩んくでる。





「Aは、結婚したい？」


「·······え？」




結構真面目なトーンで質問されて、
突然すぎる結婚話に
身体中のエネルギーを使って
頭をフル回転させる。





「·······したい、かな」





もう26歳····なのか、まだ26歳······なのか。
どちらにしろ、家庭は持ちたいし
昔から結婚願望はあった方だ。





「よかった、俺も」





安心そうに笑みを浮かべて、
またぎゅっと緩めていた腕の力を強めた。






「俺は、Aと結婚する気満々だからね」



「・・・私は嬉しいけど
まだまだ裕太は遊び足りないんじゃない？」



「別に遊ばなくてもいいし、
ただ、もうちょっとだけ二人で旅行に行ったり
色んなところで思い出は作りたいかな」








まだ20代前半の裕太、
私のために無理やり合わせてくれてるんじゃないかって
たまに心配になる時がある。





でも、裕太はそんなこと全く気にしていないようで、
今も私のほっぺをひっぱったり押し潰したり、
能天気な姿が逆に元気にさせてくれる。

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