先輩と後輩。after story.2

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「·····あっ、うん。
私も連れてきてもらえて嬉しかったよ。」



「Aは、今日のこと
少しでも思い出になった？」



「······え？」



「俺さぁ、Aと一緒にいれて、
ほんとに変われたんだよね。」





私だってたくさん経験して、
たくさん笑顔にさせてもらえて、
変われたのは私もなんだよ。








「俺さ、元カノとのことで
色々あった時あったじゃん？」


「···うん、」


「結構引きずっててさ、
毎日が何にも感じない空っぽって感じで、
でもAと出会って改心出来た。

それと共にもちろん惹かれていったし、
付き合ってからは尚更幸せで。
今はきっと、Aの中には
玉森が一番真ん中にいると思うけど、」







ずっと目を見て話してくれるから、
私も何かが疼いちゃって、
ちょっとだけ胸が熱くなる。








「俺、いつもはクールな藤ヶ谷先輩。
なんて言われまくってるから、
そういうイメージついちゃってるかもしれないけど
実は嫉妬深いし、Aに対しては
未練タラタラだし。」



「·····ふふ、そうなの？」



「多分これからも、
今日のこと思い出しては
たくさん頬張って食べてたAの顔とか
ちょっとからかっただけで本当に間に受けてる
冗談通じないAのキレ顔とか、
Aからしたらなんの変哲もない時間が
俺にとってはしっかりとした思い出になってる。」








今、太輔が言いたいことは分かる。
変えようとしてる、自分を。



私はまだ全然変われてないし、
唯一変わったことをあげるとすれば
長年想いを寄せてた藤ヶ谷先輩から離れて
裕太を好きになったこと。






でもさ、今太輔が言ってるみたいに
実は私も過去のことを思い出して
一人でニヤニヤしちゃう時もあるんだよ。



だからさ、
結局は私も太輔との日々が
忘れられないんだよ。
それは悪いことじゃなくて、
前向きに生きていくためのものなんだと思う。






「・・・太輔、こんな私のことを
好きになってくれて本当にありがとう。」


「ん、俺こそありがと。」









“·······もういっそのこと
仕事だけに熱中してやろうかなぁ〜”





なんて、私の方をちらっと見て
また笑い出す太輔に私もつられて笑っちゃう
こんなお昼は、

ふと大切な人に会いたくなって、
すぐにぎゅって抱きしめたくて、
好き。って言いたくなるんだ。

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