検索窓
今日:22 hit、昨日:27 hit、合計:231,929 hit

14 ページ14

·






「A、今日お昼どうする?」





いつも通り、
昼休憩の時間になると
すぐに私の元へ迎えに来た裕太。

今までは隣の席だったけど、
裕太は今教育係になって
優香ちゃんの隣だから向かい側の席移動。

だからちょっとしたことで
すぐにこっちに回ってきちゃうから
ものすごく周りの目が気になるの。





「········裕太、ちょっといい?」


「ん〜?」





まだ人はいるし、
あまり周りにも聞かれたくなかった私は
静かに廊下へ裕太を連れ出す。





「お昼、太輔としてきてもいい?
これで最後にする。
ちゃんと話がしたくて·····、」





“太輔”って名前が出た瞬間
すぐに曇った裕太の表情は、
壁にもたれかかりながら
私をじっと見つめる狩りのような目付きに変わった。





「·······ごめんっ、
でも、絶対に裕太のとこに戻ってくるから。
曖昧に終わらせたくなくて····」





あの時裕太を傷つけちゃったから
やっぱり悪いなぁと思って頭を下げるも、
反応が怖くて頭を上げられずにいた。


そんな私のほっぺを押さえて
ぐいっと目を合わされる。


さっきまでの硬かった裕太の表情は、
あっというまに柔らかくなって、
最後にはいつもみたいにふにゃっと笑って見せてくれた。






「うそだよん。」





“大丈夫だから行っておいで。”




人目を盗んでキスをした裕太は、
何も無かったかのように
またデスクへ戻っていった。




少し遅れて私もデスクに戻れば、
裕太が向かい側から、
何かこそこそ指をさしてくる。




(ファイルの下!見てみて!)




大袈裟に口を開く裕太を見て、
目の前に置かれているファイルをめくってみると









“ 帰ってこなかったら襲う。”



なんとも笑えない
励ましなのか本気なのか
区別のつかない一言が添えられていた。


当の本人は、にひひひって
何かを企んだような笑顔を私に向けてるけど。





大丈夫だよ。
絶対に帰ってくる自信あるもん、私。




ふと前を向けば、
あえて私を見ないようにし始めた裕太。




“気にしないで。”



そう言われている気分だった。







ありがとう。

私は、太輔が待つロビーへ
また犬のように走るの。

15→←13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (278 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1488人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あい(プロフ) - たまことさん» いえいえ!こちらこそ意見をいただけて嬉しいです^ ^私の作品は結構そういうシーンになりそうなところが多いので、なんだか書けそうですね・・・・(笑)この続編が終わって余裕がありそうでしたら、書いてみようと思います。ありがとうございました。 (2018年2月21日 15時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - 無料→× 無理→〇 (2018年2月21日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - コメントありがとうございます!そうだったんですね…!無料言わせてすみません汗 それなのに検討してくださってありがとうございます!更新頑張ってください! (2018年2月21日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - たまことさん» コメントありがとうございます。そういう描写はあまり得意ではなくて、避けてきたんですけど・・・・たまことさんのお気持ちを受け止めつつ、挑戦してみようかな?どうなるかは分かりませんが前向きに検討してみます!ありがとうございました^ ^ (2018年2月20日 22時) (レス) id: dd8208cd00 (このIDを非表示/違反報告)
たまこと(プロフ) - 更新お疲れ様です!裕太くんとの関係もこれからどうなっていくのか気になります!出来たらなんですが主役ちゃんと裕太くんのpinkストーリーは作ることはできないですか?もしもでいいので考えていただければと思います!更新&返事待ってます (2018年2月20日 0時) (レス) id: 0e0e4ba0aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あい | 作成日時:2018年2月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。