先輩と後輩。after story.2

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「ねぇ〜、いつもの靴下知らない？」


「靴下？」


「うん、あの黒のやつ。
横にちょんってマークがついてる・・・


「あっ！あれなら·······、」





ベランダに出て
干されている服かき分けながら、
お目当ての裕太の靴下を探す。




「・・・・あった。」




すぐにスリッパを脱いで
裕太の元へ届けたら、




「·····んふ、これこれ。ありがと。」




ものすごく満足そうな顔をして
その場ですぐに履き出した。








「よし、おっけ！準備完了。
なんか今日は一段と仕事頑張れる気がするわ〜」




清々しそうな顔して、
ん〜って伸びをしている裕太の背中が
なんだかものすごく愛おしく見えちゃって、
思わず飛び込んでしまった。









「うおっ、朝から甘いやつじゃんっ」




ちゃんとじっとして、
私が納得いくまで
抱きしめさせてるれる裕太。


・・・・なんか、離したくないんですけど。


人って喧嘩をしたら、
こんなにも愛しく感じちゃうんだ。
がっしりしている背中が
ものすごく安心させてくれる。
ここに住み着きたいレベルで。(現実的に無理)




「俺はこのままでもいいけど、
仕事遅れちゃうからそろそろ行こっか？
帰ったら存分に愛してあげるって。」





・・・宥められてる、私。
年下に宥められちゃってるよ。

でもね、裕太はもう
昨日ちゃんと気持ちを伝えあったおかげで
随分スッキリしてるでしょ？

でもね、私はまだ解決してないことがあるの。







「なに？Aなんか変。」



「ううん、行こっ」



「ん、電車間に合う？」



「急げば！！」



「なにそれダメじゃんっ」




ドタバタと過ぎていく時間は
頭の片隅にいる何かを
消してくれてると思うの。


でもね、それは消してるように感じても
実はずっと残ってると思うんだ。





「・・・まだ電車間に合うっぽくない？
俺達めっちゃ走ったじゃんかよ〜」




目の前でぜいぜい苦しそうにしている
体力のないこの人が、
今ものすごく大好きだから。




ちゃんと、どうにかするよ。
逃げないで、向き合ってみようかな、たまには。








・・・・太輔は、
まだ私のことを想ってくれてるの？

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