太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ16)

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Ⅱ.珠音side

玲央奈「そういえばさー、珠音の母親ってどんな人？」

学校が終わってから、3人で近くの公園で談笑していた。(熾哀は談笑していないが...)

『うーん、そーいわれてもなー...』

玲央奈「じゃあさ！いっそのこと珠音の家行かない？」

『は？何言ってんの！？』

玲央奈は良くも悪くも考えるより先に行動する系の人だから時々困る。

玲央奈「だってさ！行ったついでに珠音の母親の様子とか見れるじゃん！」

『...しょーがないな...。なんか復讐に役立つことでも見つかるといいけどねー』

私たちの横で、見なくてもわかるほど"お前らはバカか"オーラを全面に出している熾哀。

でも、どうやら一緒に来てくれるようだ。

20分後＿＿＿＿。

玲央奈「珠音の家遠すぎ！もう疲れたー！」

お前が行きたいとかいうからだろ、バーカ。

熾哀「ここがお前の家？」

『そ。まだダンボールとか積み上がってるけどね。』

玲央奈「一戸建てかー。いーなー。」

『とりあえず入って。』

鍵を開け、家の中に入る。

智香「珠音！このノー...あら、お友達？」

玄関まで普段の3倍くらい大きい足音で出てきた母親は、手にノートを持っていた。

少ししか見えなかったが、紛れもなく私の日記だった。

玲央奈「は、はい！珠音の友達の...水北玲央奈です...！で、この子が、来宮熾哀ちゃんです！」

玲央奈は私の母親を見るなり少し動揺していた。

智香「玲央奈ちゃんに熾哀ちゃん。珠音がお世話になってます。中に入っていいわよ！...珠音、ちょっとこっち来てくれる？」

そう言って母親は私に来るよう促す。

熾哀「さっきお前の母親、お前のこと憎んでた。...何されるかわからないぞ、気をつけろ。」

さっきまで名前をちゃん付けで呼ばれて、これ以上ない嫌そうな顔をしていた熾哀が小声でそう呟く。

『うん。...もし私が帰って来なかったらこの家の裏道にいると思うから来て。』

熾哀「...わかった。」

私は出来るだけ平静を装って、母親について行った。