127話目 ページ39
一切止まることを知らない攻撃を避け続け、不意打ちの一太刀をねじ込んだ……と、思った。
しかしその一太刀は呆気なく弾かれる。
スコーピオンで、俺に狙われたところを最低限の範囲で覆うことによって強度を最大限に持っていき、咄嗟に防御したらしい。
負けている、集中力と発想力で。
.
夜間任務の帰り、訓練室から激しい戦闘音が鳴って
いるのを陽介と確認。
時間帯としては夜間勤務の人ですら静まり返って自分の作業に没頭している時間。
当然廊下には俺と陽介しかいなかったし、多分訓練室も一人しかいないだろう。
「へえ、こんな時間に誰だろうな」
立ち止まる陽介を無視して歩く。
「……行くぞ、陽介」
「え、スルーしちゃう？」
「俺達には関係ないだろう」
「まあそうなんだけどさー」
そう言って渋々歩き出した陽介は、しばらく歩くとたピタ、と立ち止まった。
「今度はなんだ」
「やっぱ見に行かねぇ？なんか………嫌な予感する」
陽介はこう見えて勘がいい。本当に何かあるのかもしれない。
「…………わかった」
間髪入れずに陽介がドアを開ける。
そうして一つ一つの訓練室を確認していくと、1番奥の訓練室で大量のネイバーを一人で倒し続けている白鳥の姿が見えた。
「うわ………こりゃひでーな…………完全に殺気に満ちてるぞあいつの眼」
陽介が少しだけ動揺した素振りを見せる。
「………トリガー、起動」
突然の俺の行動に驚いたのか、米屋がぱっとこっちを向いてくる。
「秀次、どした？」
「…………止めてくる。その後、事情を聞く」
俺は弧月を起動しながら白鳥のいる訓練室へと向かう。
「待った、オレも行く」
「待て、………俺だけで行く」
俺がそう呟いた瞬間、陽介が少しだけきょとんとした。
その後すぐにニヤ、と笑ったかと思うと「おー、行ってこい行ってこい」と言って背中をぐいぐいと押してくる。
俺はその手を振り払うと、白鳥が訓練室のパネルにトリガーをかざした。
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花言葉をテーマにした短編集新作を上げました。
息抜きがてらちょくちょく更新していますので良ければ覗いてみてくれると嬉しいです。
少しだけ暗めな話が多いです。
リクエストも受け付けておりますので良ければ。
【WT】Blumenstimme
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/876f42d2c22/?plid=032592e9b41
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天(プロフ) - 何も言わずに旋空弧月さん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです。ちょうど一話更新したのでもしよかったらぜひ！これからも低速ではありますが更新していきたいと思うのでよろしくお願いします！ (2021年5月27日 22時) (
レス) id: b90335b0cc (このIDを非表示/違反報告)
何も言わずに旋空弧月 - ストーリーに惹き込まれ一気読みしました。大好きです。作者様の都合もあると思うので気長に更新を待ってようと思います。 (2021年5月27日 20時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 天さん» いえいえ！作者様にも事情がありますし、こうしてまた更新します！と言う言葉を見て、帰ってきたー！と嬉しかったです！はい！こちらこそ、これからも宜しくお願い致します！ (2021年4月11日 12時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
天(プロフ) - Yu-grenaさん» コメントありがとうございます！本当ですか……長い間更新が止まっていて申し訳ないです……すごくうれしいです！これからもよければよろしくお願いします！！ (2021年4月11日 6時) (レス) id: b90335b0cc (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 初コメ失礼します！天様のワートリ小説(三輪くん)のお話、一から読んでて…大好きです！これからも無理せず、お体に気をつけて頑張ってください！応援してます！ (2021年4月11日 0時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天（元れたす。） x他1人 | 作成日時：2020年1月2日 14時
