106話目 ページ16
そもそも。
そもそも来ると思ってなかった。全く。
そんな三輪が、行きたい所があるって。
予想外すぎて思考とか動きとかその他諸々固まる。
「A、口空いてるぞ」
『逆になんで米屋はそんな冷静なの』
「や、全く冷静じゃない」
「さすがに驚いたわ」
私も米屋も出水も、考えることは同じらしかった。
「......？」
『三輪、なんで私たちが驚いてんのかわかってないっぽい』
「......あー...えーっと。秀次、どこ行きたいんだ？」
「海」
「は？」
『海？』
なんで海なんだ。
「......ああ、おまえらがダメじゃ無ければ」
「......今冬だぞ、秀次」
「......知っている。でも、行きたい」
ダメか、と訊かれる。
もう、これは行くしかないじゃないか。
『まあ、確かに三門に海ないし、いいんじゃない？』
「ぜんぜんいーけど。せっかくだから夏に行きたかったなー」
米屋がつぶやく。
それに目ざとく出水が反応する。
「水着のねーちゃん捕まえるために？」
「人聞き悪いこと言うな！そんなこと思ってねーよ！」
『......どうかなあ』
「Aまで！なんで疑うんだよ！！」
「じゃー行くかー」
『おー』
「スルーするなよ！！」
「うるさい陽介」
「秀次......こいつらひどくないか？」
「うるさい」
「ひどい！」
·
ガタンゴトン、と揺れる電車。
四人で、電車にたまにある向かい合う席に座っている。
米屋と出水が大騒ぎしていて、それに私がツッコみ、三輪がうるさい、と言う永遠のループを繰り返していた。
だけどもうめんどくさくなってきたので三輪に任せることにした。
でも、こういうのも悪くないのかもしれない。
後ろに流れていく景色を見ながら、そう思った。
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天(プロフ) - 何も言わずに旋空弧月さん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです。ちょうど一話更新したのでもしよかったらぜひ！これからも低速ではありますが更新していきたいと思うのでよろしくお願いします！ (2021年5月27日 22時) (
レス) id: b90335b0cc (このIDを非表示/違反報告)
何も言わずに旋空弧月 - ストーリーに惹き込まれ一気読みしました。大好きです。作者様の都合もあると思うので気長に更新を待ってようと思います。 (2021年5月27日 20時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 天さん» いえいえ！作者様にも事情がありますし、こうしてまた更新します！と言う言葉を見て、帰ってきたー！と嬉しかったです！はい！こちらこそ、これからも宜しくお願い致します！ (2021年4月11日 12時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
天(プロフ) - Yu-grenaさん» コメントありがとうございます！本当ですか……長い間更新が止まっていて申し訳ないです……すごくうれしいです！これからもよければよろしくお願いします！！ (2021年4月11日 6時) (レス) id: b90335b0cc (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 初コメ失礼します！天様のワートリ小説(三輪くん)のお話、一から読んでて…大好きです！これからも無理せず、お体に気をつけて頑張ってください！応援してます！ (2021年4月11日 0時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天（元れたす。） x他1人 | 作成日時：2020年1月2日 14時
