第六話 ページ6
ピンポーン…
「…はい」
「昴さん、僕だよー!開けてー!」
うわ、やば…
そうじゃん、忘れてた。
ここの住人を…
カチャリと玄関の扉があき、現れたイケメン。
彼の名は沖矢昴こと、赤井秀一である。
コナンくん、私がたとえ怪しい人物だとしても、赤井さんならいいやって思ってここに連れてきたでしょ?
困ってて大変そうだな…でも、演技かもしれないな…うーん、そうだ!赤井さんがいるじゃないか!っていう思考回路したんでしょ?
赤井さんと過ごしてて、トリップしてきたのバレない自信ないんですけど…
むしろ、バレる自信しかないんですけど!!
「おや、そちらの女性は?」
「Aさんだよ!記憶がなくて困ってるんだって!」
「それは大変だ、どうぞ、中へ」
『お、お邪魔します…』
家の中は、正しくアニメ通りでやっぱり感動した。
感動しすぎて泣かなかったことを褒めたい。
ソファに座るのとか、私なんかが座っていいのか分からなくて内心ドッキドキである。
いや、まあ、怪しまれないために、普通に座ったけども…
「こちらが、AAさん。さっき公園で出会ったんだ。それで、こちらが…」
「沖矢昴です。よろしくお願いします。記憶がないとはどうされたんですか?」
コナンくんが分かりやすく昴さんに状況を説明し始めた。自分の事なのに、変に口出しした方が分かりにくくなりそうだったから、ひたすらうんうんと頷いていた。
「それは、大変でしたね。どうぞ、記憶が戻るまでこの家に泊まってください」
『え、いいんですか?』
「はい、僕もここの家主ではなく、居候の身なので偉そうには言えませんが、部屋は余ってますし、家主の方にも後ほど連絡しますが、とても優しい方なので大丈夫だと思いますよ」
『あ、ありがとうございます』
「僕も一人で住むには広くて寂しかったので、歓迎しますよ」
嘘つけ。
絶対、面倒なの増えたって思ってるくせに。
一人の時間とか苦じゃないくせに
むしろ、好きなくせに!!!
「Aさん、よかったね!」
コナンくんが隣でにこにこしながら見つめてきて、その可愛いほっぺを無性につねりたくなったが、今はその時ではないと思い、笑顔で頷いておいた。
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作者名:海扇 | 作成日時:2019年7月18日 17時