想像するくらいならいいですか？ ＊ ページ12
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「まあそんなに早まるなって」
美琴から視線を外した不動は、ニヤニヤとわざとらしく吹雪と風丸を笑う。そして「ほら見てみろ」と体中の泡を綺麗に流し始める美琴へと再度視線を戻す。
「今のアイツには俺らと同じもんがついてる」
「何が言いたいの？不動くん」
「今のアイツは男だってことだ」
「わかってるよ？」
「男では抜けないだろ？」
「へー、不動くんはそうなんだ？」
不穏な会話が目の前で繰り広げられている風丸は、呆れた顔で彼らの行く末を見守っていたが、いつの間にかシャワーの音が止んだ背後にいち早く気づくと「おいお前ら、」と未だ『例の話題』で会話を続ける二人を急いで止めに入る。しかし彼の努力はなんとも儚く水泡に帰し、ヒタヒタとタイルを踏み鳴らして近づく一つの足音には、残念ながら及ばなかった。
「何の話してんだ？」
「えー、試合の話だよ？」
吹雪は嘘をついて誤魔化すが、美琴は「いや絶対ちがうだろ」と彼の言葉を呆気なく突きのけ、風丸の側に肩を並べて浴槽へと入る。
元の性別の時の名残なのか、水音を立てないよう静かに入った美琴の動作を静かに見つめていた風丸たちは、わずかに顔を強張らせる。
「……なんか、女々しいなお前」
「は？んなわけあるか」
「うん、すごく上品だったね」
「はー？」
不動や吹雪は、躊躇なく美琴にツッコミを入れる。彼らと同様なことを思った風丸だったが、彼らと決定的に違う点は、思ったことを黙り通したことであった。
「……」
しかし黙ってはいるものの、二人と会話を続ける美琴を風丸はチラリと盗み見をしていた。
盗み見た美琴の顔は大浴場の熱さで少し上気しており、よけいに不届きな情景を想像してしまった風丸はドクンッ、と心音を跳ね上がらせる。
普段は自分たちとは違う性別であり、一緒に入浴するなんて事を経験したこともない彼ら＿＿主に風丸は緊張を滲ませながら、喉仏を上下させて唾をゴクリと飲み込む。
「ッ……」
そして、ほんの数秒間のうちに彼自身の中で出来上がった良からぬ妄想に、思わず紅潮した風丸はフイッと美琴から視線を逸らした。
ーーーーーー
↓ 続きです。
1年ぶり？の更新が番外編になりましたが、本編のほうも下書きは何話か出来上がっているので、推敲が終わり次第の更新になるかと思います。
昨年は忙しく、すでに完結しているアニメでさえも未だに見終わっていない作者ですが()、これから少しずつ観ていけたらなと思ってます。
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年上好きに悪い人はいない ＊→← まるで雪みたいに白く儚かった ＊
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ロボッピ(プロフ) - 続きがすごく気になります。更新頑張ってください (6月30日 18時) (
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作成日時：2020年10月4日 3時
