32.システム。 ページ32
確かに爽やかな朝。
春独特の空気の匂いがして、柔らかい朝陽で町は白く包まれてる。
私たちの前を、クロが尻尾を振りながら楽しそうに歩く。
ふわっふわっ、尻尾が揺れる。
「クロの尻尾、可愛いね」
「あー、飾り毛多いからね。クロ、華やかだから」
ねー？って、クロの後ろ姿に向かってデレデレする二宮くん。
もう、彼女みたい。
あぁ、彼女なのかな。
「クロってメスなんだよね？」
「え？オスだけど」
「え！？嘘っ！？メスでしょ！？」
「オスだって言ってんでしょ。むしろ、何でメスだと思ったのよ」
いや...何となくここまでデレデレするのは異性だからだと思い込んでた...
「クロ、飾り毛多いでしょ？尻尾もだけど、耳もふわふわでしょ？」
自分の事を言われてるのが分かってるのか、クロが一瞬振り返って、また前を見た。
その耳は、華やかに飾り毛で覆われてる。
「チワワって、比較的オスの方が華やかな子が多いのよ」
「へぇ...そーなんだ」
「動物って、多いでしょ？そのシステム」
「システム？」
あ、クロったら足あげてマーキングしてる。
ホントにオスだ。
二宮くんが、マーキングされた壁にシュッシュッと霧吹きで水を掛けて流す。
「メスよりオスの方が美しいシステム」
「あー！孔雀とか？」
「うん。ライオンとか鴨とかもさ」
クロの後処理を終えた二宮くんが、チラッと私を見る。
「...何...？」
「...メスより...ンフフッ...ごめん、何でも無い」
また笑いを堪えて、クフクフしてる。
「どうせ私は地味ですー」
「そんなコト言ってないでしょ？」
「二宮くんの方が華やかですー」
「あー、それはそうかもね」
「わっ！肯定した！」
「じゃあ『そんなコト無いよー』って言っとこっか」
クッソー...顔は可愛いけど、ムカつくなー...
可愛いから余計にムカつくなー...
「A、今日は化粧してないからでしょ」
「え？」
「地味なの」
「...他人に言われるとズキッと来るね...」
お目目が天然うるうる系の男子に、女子なのにうるうるしてない私の気持ちは分からないでしょーよ！
「けどオレ、結構好きよ？」
「はい？」
「化粧してないA」
「...はっ！？うっ...そでしょ！？」
「嘘じゃねぇよ？まぁ地味だけど。フハハッ！化粧の力って偉大だな！」
一瞬「褒められた！？」ってドキッとした私を全力で否定したい。
ってゆーか何で私、二宮くんと散歩してるんだっけ？
何だか......朝から思いっきり振り回された気がする。
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まめなり(プロフ) - 図々しいかもしれませんが続編を検討していただけると何よりも嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2017年7月18日 10時) (
レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - 最後Nくんは実家に帰ったのかなぁとかAくんとあの子はどうなったのかなぁとかOくんはあの子とどうなったのかなぁとかSくん結婚しないかなぁとかMくんもあの子とどうなったのかなぁとか。そして何より1番気になるのは主人公のカフェはどうなったのかなぁと。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - が好きです。ロマドーの雰囲気もそこで暮らしている人々も。(個人的には最後結ばれるのが担当様だったのも嬉しかったです笑) 今まで色々reiさんのお話を読ませて貰っていましたが、このロマドーも相変わらず素敵なお話だと思いました。そこで続編のお願いを…笑。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - こんにちは！どこに書けばいいのかわからなかったのでココに。私はロマドーの2章が始まったくらいで受験勉強のために占ツクから離れた者です。受験も終わり久々に占ツクを訪ねてみるとロマドーが完結していて思わず読んでしまいました。率直に言ってホントにロマドー (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いきなりすいません！君の名は。って話ありますね笑 (2016年10月27日 14時) (レス) id: 55ecfc4463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年1月27日 19時
