22.アクシデント。 ページ22
熱々に熱された石の器に入った石焼ビビンバを運んでた時だった。
重いから落とさないように、その事だけしか考えてなかった。
お客さんのテーブルに「お待たせ致しました」とそれを置こうとしたら、けたたましい笑い声が背後から聞こえて
「え？」と思ったら、もう私の背中はその酔っ払ったお客さんにドンッとぶつかってた。
身体が前のめりにグラついて、私が持ってた石焼が傾き
思わず落とさないように片腕で抱え込んで
それでも崩したバランスを簡単に整える事は出来なくって、ゴンッ！と大きな音を立て、石は落ちてしまったけどテーブルの上では無く私の足元。
テーブルに落とさなくて良かった...
いや、良くない、落としてるんだから。
「...申し訳ありません！」
お客さんのオーダーした料理を落としてしまった事に頭を下げてると、私にブツかった当の酔っ払いは「ごめんねー！」と笑って自分の席に戻っちゃって(連れの女も「もぉ気を付けなよぉ」なんて笑いやがって)
心の中はもう、ハラワタ煮えくり返りそうなんだけど
クッソ！地獄に堕ちろ！とか思ってんだけど
悪いのは私。
「すぐに新しい物を作ってお持ち致しま...」
「お客様、大変申し訳ありませんでした。お怪我はありませんか？お洋服、汚れておりませんか？」
頭を下げてる私の隣に、いつの間にか櫻井さんが立っていた。
「...櫻井さん...」
「天野さんは早く厨房に行って、作り直して貰って」
「...はい...失礼します...申し訳ありませんでした」
もう一度頭を下げると、私が落とした物を掃除する為に静香さんがダスターをたくさん持って向こうから小走りでやって来る。
静香さんは微笑んで、小さく頷き掃除を始めた。
「...ごめんなさい...」
「良いから、ほら！Aちゃんは早く厨房行かなきゃ！」
櫻井さんも「すぐに片付けますので」ってお客さんに頭を下げて、静香さんを手伝い始める。
もう、自分の失敗が情けなくなって辛くって
でも仕事はしなきゃだから厨房に走って「ごめんなさい！石焼落としてしまったので、一つ急ぎでお願いします！」って頼む。
厨房スタッフが、ちょっとだけ嫌な顔をしたの見えちゃって心折れそう。
そりゃそうだよ...それでなくても忙しいのに。
「オーダー立て込んでるのに、申し訳無い！」
私の隣から厨房を覗き込んだ櫻井さんが、私の代わりに謝った。
「......」
「こら、A！そんな顔しない！な？」
ポン、と頭を撫でられてもう泣きそうだ。
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まめなり(プロフ) - 図々しいかもしれませんが続編を検討していただけると何よりも嬉しいです。最後までお読み頂きありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2017年7月18日 10時) (
レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - 最後Nくんは実家に帰ったのかなぁとかAくんとあの子はどうなったのかなぁとかOくんはあの子とどうなったのかなぁとかSくん結婚しないかなぁとかMくんもあの子とどうなったのかなぁとか。そして何より1番気になるのは主人公のカフェはどうなったのかなぁと。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - が好きです。ロマドーの雰囲気もそこで暮らしている人々も。(個人的には最後結ばれるのが担当様だったのも嬉しかったです笑) 今まで色々reiさんのお話を読ませて貰っていましたが、このロマドーも相変わらず素敵なお話だと思いました。そこで続編のお願いを…笑。 (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
まめなり(プロフ) - こんにちは！どこに書けばいいのかわからなかったのでココに。私はロマドーの2章が始まったくらいで受験勉強のために占ツクから離れた者です。受験も終わり久々に占ツクを訪ねてみるとロマドーが完結していて思わず読んでしまいました。率直に言ってホントにロマドー (2017年7月18日 10時) (レス) id: ba375aaf37 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - いきなりすいません！君の名は。って話ありますね笑 (2016年10月27日 14時) (レス) id: 55ecfc4463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2015年1月27日 19時
