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クシュっ、
標「寒い?」
「んーん、大丈夫」
夏から秋に変わりかけている今の季節は、
濡れたままでいる私にとって少し寒い
でも標に心配をかけられないから
とりあえず、大丈夫って言ったけど、
体は嘘をつけず
ぶるぶるっと震えながら私の腕には鳥肌がたっていた
標「嘘つき」
目の前から標がいなくなったと思ったら
ふわっと、彼の香りが漂う
彼の手が私の胸の前で組み合わさり、
私を包み込むように後ろから抱く標
「……標?」
標の方が、15センチ弱身長が高いため
私は彼の胸にすっぽりとはまってしまった
それに、顔と顔の距離が近いから、
標の髪の毛から滴る水が私の制服を濡らす
標「A、あったかい」
小さい、彼の声は
私の耳に直接聞こえた
「私も。
……標があったかい」
私の前で組まれている手に、
自分の手を合わせる
でもその手は、ゴツゴツしてて、
標は男の子なんだってはっきり言ってる気がして…
なんだか、すごく落ち着くけど
ドキドキもする。
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・
「私ね、水が苦手なの」
小さい頃に海で溺れたことがあってね。
標「うん」
突然話し始めちゃったのに、
私の頭に顔を寄せながら
ちゃんと
「だから水が流れてきて、
どんどん水位が上がってきた時は、本当にこわくて、また過呼吸になりかけて、」
「運良く、手が小さいおかげで手錠から手が抜けたから息は出来たけど、もう死んじゃうって思ったの」
標「うん」
「でもね、標を助けなきゃなって、」
標が少し、ぎゅっと強く私を抱きしめる
「それにね。
もし死んじゃうなら、標の前か
標と一緒がいいなって思って」
わたし、
「標のことがね、」
「大好きなの、」
標の優しい温もりに安心して身体の力が抜けた
そのまま私は、彼の温かい体に身を預ける
その温度と、規則通り鳴る彼の鼓動で
私は眠たくなってしまって、
標「僕も、」
標の声は私に届かず、
いつの間にか眠ってしまっていた
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あんず(プロフ) - なっつんさん» お返事が半年近く遅くなってしまって申し訳ございません……!ありがとうございます!!大好きだなんて言ってくださって本当に有難い限りです!!ぜひ、またお話読み返してくださったら嬉しいです!! (2019年5月27日 17時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
なっつん - 読み進める程、標くんのカッコよさが凄くてとってもきゅんきゅんします!!他の作品であんずさんの事を知ったのですが、この作品も最高でとても大好きです!!すぐに一番右の星押しちゃいました笑応援してます!! (2018年12月31日 2時) (レス) id: 29e38c5e22 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - すうちゃんさん» そう言って頂けて本当に嬉しすぎます!!こんな作品ですが、これからもよろしくお願い致します!ありがとうございます!! (2018年8月26日 23時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - スティンガーさん» そうです!ですが、梨本さんの下のお名前が無いようなので、ダイキで書かせていただいております。わかり次第書き換えますが、何卒ご了承ください。 (2018年8月26日 23時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 浮所 ねいさん» こんな作品ですが、、、ありがとうございます!!!ものすごく嬉しいです!頑張ります! (2018年8月26日 23時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2018年7月16日 23時