誘惑していたのは私の方でした。３【ダイヤのＡ】

48 付き合っている ページ8

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「倉持じゃないよ」



あ「……え？」



洋一じゃないなら…



あ「誰…？」



亮「おーれ！」



あ「亮介先輩！？」



胸にうずめていた顔をあげる。



丁度亮介先輩を見上げる形になる。



確かに匂いだって違かった。



不安な気持ちでちゃんと確認してなかったんだ。



それより離れなきゃ。





あ「あ…あの、すいません…いきなり抱きついちゃって…」



ぐっと離れようとする。



けど離れられない。



あ「亮介先輩…？離してください…もう大丈夫なので…」



亮「Aからきたのに？」



いたずらに笑う亮介先輩。



あ「洋一だと思って…ホントすみません」



亮「Aはホント倉持のことばっか」



あ「そ、それは…///」



亮「俺のことも見ろよ？倉持のことばっか見て奪いたくなるじゃん」



あ「はい？」



亮「Aはホント鈍感だね。こういう意味だよ」



表情を変えずに言った亮介先輩。



なにがんだかわからないでいると、唇に柔らかいものが当たった。





な、長い…苦しい…



亮介先輩の胸をトントンと叩くけど離してくれない。



右手は腰に回って、左手は後頭部にあるから自分で抜けようにも不可能だった。





あ「……ん」



暗いなか、深いキスをする二人。



その光景は付き合っている男女にしか見えなかった。

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