花屋の店主は実は公安警察

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まあ、ペア待ってますって言ったすぐにソロでヨーロッパ行くんだもんな。そりゃ怒るし心配かけちゃうよね。
彼らが心配しているのは私が弱々しく見えるというのもあるかも知れない。
男は女を守るものって考える人も多いから。

A「その逆があってもいいと思うんだけどなぁ」

今帰ると私何しにヨーロッパ飛んだのよって笑い者間違いなし！任務もせず、旅行もせずなんてお金の無駄！(組織の経費だけど！)

ターゲットの12人の大体の潜伏地域は分かるけれど、そこから近付いて家族を人質に問い詰め抹殺なんだから本来はペアの方が進みは早いと思う。
人間関係を築いてから遂行するとしたら1人最低１ヶ月は見た方が良さそう。
相手もコードネームを与えられるほどの実力者だし、ヨーロッパ周辺の別の任務も与えられそうだから当分は日本に帰れないな。

私の予想通りソロの任務は困難を極めた。
あんまり遅いとベルモットに急かされるからターゲットからターゲットを行き来したり、彼らの所属する組織に身を置いたりもした。
幸い顔は割れておらずはじめまして状態なのが幸をそうした。

A「流石にキツイな」

ヨーロッパに来て早半年。ホテルを転々としながらターゲットを5人抹殺した。場合によっては家族も。

心が抉れる。

彼らからの連絡は落ち着きを見せ始めたので着信拒否も解除した。
あまりにも連絡してくるものだから一度だけ送ってこないようにとメールした事がある。
ベルモットが勘づくから。

A「写真でも送るか…」

彼らにネリネという花の写真を撮って送った。
花言葉は＜また会う日を楽しみに＞というのも。

送信したすぐに松田さんから青いアネモネの写真が送られた。花言葉は＜信じて待つ＞。
もう1枚の写真を見るに頻繁にお店に来ているようだ。

A「ドライフラワー作りすぎじゃない？」

花を枯らさせないようにと松田さんなりの気遣いかな。
天井一面にぶら下がっている。
このままじゃあ花屋さんじゃなくてドライフラワー屋さんだよ。

＜追伸、早く帰ってこねーと俺が店主になるぞ＞

サングラスにエプロンなんか似合わないから、辞めた方がいい。
胸の重みが軽くなるのがわかる。
その次に萩原さん、伊達さんが励ましの文を送ってくれた。
頑張ろ、とそのままベッドで寝落ちした。

翌日スマホを覗くと降谷さんからメールが来ていた。
風見さんをこっぴどく叱ったそうだ。
諸伏さんからはまだ来てなかったけど、彼も任務中だろうから気にならなかった。

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