恋占い、一回1000円。

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「まー、

おねーさんには好きな人がいるんだもんねー」


「っ、」


「で、どーなの？」


「どうって、なにが」


「その恋うまくいきそう？」


「・・・・・・。」


どういうことを

"うまくいく"って言うんだろう。


彼との関係は良好で、

今のところこの関係が崩れる心配はなさそう。



「奥さんと別れてもらえそう？」


「は、」


・・・そんなこと、考えたこともなかった。


春樹にとって奥さんは

なにがあっても一番で。


その位置が揺らぐことなんてない。



「うわ、闘争心ゼロ？」


「・・・そんなの燃やしても、

なにも良いことないですよ」


せっかく築いた関係が崩れて、

自分が傷つくだけ。



「・・・っていうか、

人の恋愛に首突っ込まないでもらえます？」


っていうか私も

なにをベラベラしゃべってんだろ。



「だって俺占い師だよ？

人の人生に首突っ込むのが仕事じゃん？」


「・・・ホントに占えるんですか」


「占ってほしい？」


「結構です」


占いとか、信じないし。



「いーじゃん、一回くらい試してみてよ」


「インチキに1000円も払う気ありません」


この男の食費とか服代になるとか思うと

妙に癪だ。気に入らない。



「じゃあ特別に、タダで占ってあげる！」


「・・・それあなたに何の得があるんですか」


「その代わり一緒に夕飯食べよ？」


「・・・なんでそうなるの」


「俺の奢りだよ？」


さっきから奢り奢りっていうけど、

フリーターのくせにそんなお金持ってるんだろうか。



「いーじゃん、もう赤の他人じゃないでしょ？」


「いや赤の他人だから」


ホントこの男なに言ってんの。



「だって、おねーさんの秘密知ってるよ？」


「それは、」


「俺がなんで分かったか、知りたくない？」


「・・・・・・。」


それは、気にならないワケじゃない。



「・・・でもファミレスなんでしょ」


「何かご不満でも？」


だって人口説くときにファミレスって。



「今ならハッピーアワーでビール安いよ！

しかも俺の奢りだよ!!」


「・・・行く。」


「よし、じゃあ決まり―!!」


そう言って左手を差し出すもんだから、



「・・・なに、この手」


まさか、1000円とる気？


さっきはタダって言ったのに。



「手、つなごーよ」


「はあ!?」


「あ、おねーさんシャイ？シャイなの？」


「行くのやめようかな」


「じょ、冗談だから!!行こ!?」


・・・ほんっと意味わかんない。





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