恋占い、一回1000円。

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「ちょっと待ってくださいって」


「・・・急いでるので」


私に何の恨みがあって

こんなに絡んでくるんだろうか。



「ねーおねーさん、



＿＿＿＿＿無理してしがみついて、楽しい？」


「は、・・・」


・・・いきなり、何を言うんだろう。



「＿＿＿相手の顔色ばっか窺って、重くない女演じて、

そんなんで人生楽しい？そんなの恋愛って言えんの？」


・・・子供みたいだと思った。


純粋な目で、

ただ純粋に問いかけてくるような。



「・・・なんで、



なんでそんなこと、貴方に言われなくちゃいけないんですか」


その純粋さが

今の私にはまぶしくて、怖かった。



「しょうがないじゃない、

好きになっちゃったんだもの。


彼が妻子持ちだなんて知ったときにはもう、

半分足を突っ込みかけてた。


・・・止めれなかったの」


赤の他人に、私は何を喋っているんだろう。

こんな話、誰にもしたことないのに。



「全然割り切れてないじゃん」


「え、」


「オトナのくせに、割り切った付き合いできてないんだね」


なんで私は、こんな若い男にバカにされてるんだろう。



「・・・貴方なんかになにが分かるの」


まだろくに社会人やってないくせに。


私はもう、

手つないで仲良くリア充ができる歳じゃないんだ。



「分かるワケないじゃんそんなの」


「っ、」


「人の気持ちなんか、他人が理解できるわけないじゃん」


「・・・・・・。」


確かにそうかもしれない。


それでも分かってほしいと思ってしまう。



「理解はできないけどさー、占えるよ？」


「え、」


・・・占い？


そう言えばさっきそんなこと言ってたっけ。



「俺がおねーさんの将来、1000円で占ってあげよ―か？」


「結構です」


結局、金目当ての詐欺じゃないか。



「私、今から行くところがあるので」


体はまだ重いけど、こうなったら走って逃げるしかない。



「今はまだいーけどさ、



＿＿＿＿＿近いうちにまた会うと思うよ、俺ら」


「・・・二度と会いたくありません」


目も合わせず、ひたすら走る。

追いかけてはきてないようだ。


ひとまずほっとして、若い男が言った言葉を思い出す。



「・・・絶対会いたくない」


どーせハッタリに決まってる。





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