恋占い、一回1000円。

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「Aどーしたの？」


「え？」


お漬け物を摘まんでた箸が止まる。



「なんか元気ないじゃん」


「・・・そう？」


一瞬、変な占い師の顔が浮かんで消える。


あんな男の言葉のせいで

春樹に変な気を使わせてしまった。



「俺と最近会ってなかったからかなー？」


「っもう、」


いたずらっ子みたいな笑みを浮かべて、

白いご飯を頬張る春樹。


・・・ほんと可愛い。



「・・・ゴメンな、A」


「え？」


顔をあげれば、

真剣な顔をした春樹。


なんで私、彼に謝らせてるんだろ。



「もっと早く再会してれば、

Aにこんな思いさせないで済んだのに」


「・・・・・・」


・・・早く、早くこの空気を変えなきゃ。


春樹が今の奥さんと別れられないことくらい、

私だって分かってる。



「・・・この間ね、

新しいワンピ買ったの」


「へぇ、どんなの？」


「夏っぽい、黄色いシフォンのヤツ」


・・・スッゴい強引だったけど、

なんとか空気を変えることが出来た。



「今度着てきてよ」


「うん。

あ、似合ってなくてもお世辞くらい言ってよね？」


「Aはなんでも似合うからへーきだって」


「今からお世辞言うことないのに」


「ホントだってば」


いつだって春樹は優しい。


だからそんな彼に

責任を感じさせちゃいけないんだ。


"Aに申し訳ない"

なんて思わせちゃいけない。





＿＿＿＿＿そこまでしてしがみつく理由ってあんの？





そんなの決まってるじゃない。


女のプライドってヤツだ。





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