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お待たせ、と声をかければ以前と変わらない爽やかな笑顔で‘よぉ、’とグラスを上げて。
MS「お疲れ。早かったな」
「お疲れ。ミンソクは相変わらず時間ぴったりね」
ジャケットを脱ぎながらミンソクの隣に座れば、スッと私好みのカクテルが出てきて。
さすがテミンさん、よくわかってくれてる。
にこり、と笑顔で受け取ればテミンさんも笑顔で‘ごゆっくり’と下がって。
MS「・・・なに、相変わらず通ってんだ」
「当たり前でしょ、あんな事あって大変でしたけどねぇ」
MS「悪かったって」
「というか、よくここにしたね？それがすごいわ」
MS「バーテンダーの彼に謝りたかったのもあるし。勿論、気まずさもあったけど、」
‘仕切り直ししたかったからさ、’とグラスを傾けるミンソク。
彼の小さな緊張がグラスの中の氷が溶けてバーボンと混じるように私にも伝わってくる。
少しだけ張った空気が二人の間にはあって、私は言葉を紡ぐ前に淡いオリオンブルーのカクテルを煽って口を湿らす。
だけど流れる沈黙は思ったより重くない。
「・・・飲んで忘れる前に本題ね、」
そう切り出して例のビロードの箱を彼の前に差し出す。
「素敵な指輪をありがとう。でも、やっぱりお返しします」
ごめんなさい、と零せば横から聞こえる大きな溜め息。
MS「・・・お前さぁ、ほんとに良く考えたのかよ」
「考えたよ。正直言うと最初の時よりね」
MS「それでこの答えか。・・・俺、お前も結婚したいんだと思ってたんだけど」
「・・・私、いつそんな事言った？」
MS「確かに言ったりはしてなかったな。けど、なんとなく」
「それハズレ。見込み違いだよ」
MS「・・・なぁ、なんで結婚したくないんだ？」
彼を紹介されて一番最初に気に入ったのは、この吸い込まれそうな程キレイな瞳だった。
その瞳に真っ直ぐ見つめられると逸らせなくて。
自分でもグラスを持つ手に力が入るのがわかる。
「・・・する意味がわからないって言ったじゃない」
MS「それこそ俺にはわからない。A、結婚ってなんだと思ってる？」
「やめて。価値観の話なら人それぞれじゃない」
MS「俺は理由を聞いてるんだよ。俺の事嫌いだからしたくない、じゃないだろ」
「それは、」
MS「これからも一緒に居たいと思ったからコレを贈ったんだよ。Aの事を愛してるから。家族になりたいんだよ、俺は」
ミンソクがぎゅっとグラスを握る私の手を包みこむ。
・・・家族、か。
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みあも(プロフ) - こんにちは！クズ元カレと再会したシーンでは思わず泣いてしまいました。テテの包み込む優しさに涙が(;;)本当に素敵で大好きな作品です。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございました！ (2021年6月7日 9時) (
レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高でした。所々、私自身も涙を流してしまいました。。。 感動的で時に少しHな部分もあってすごく楽しめました。ありがとうございました。 (2021年3月30日 17時) (レス) id: b5b319fcf8 (このIDを非表示/違反報告)
りーりー - 早く結ばれろって毒付いてたけど(すみませーんw)好きな人＝付き合いたい人とは違うって思いました。← (2019年10月5日 7時) (レス) id: 37e0abcb10 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 長くなってしまいましたがこんな素晴らしい作品を読ませていただいて心から感謝します。これからのアウラ様の幸せを願っています！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 共感できるし、何より自分も子供好きだからこそ辛い事とかも…そんな寂しさから何となく男の人を求めてしまうのも、軽い関係だけで終わらせたいと思うのも。何だか自分語りみたいになってしまって申し訳ないのですが夜にギャン泣きしてしまうくらいには感動したので (2019年4月11日 23時) (レス) id: 65b302e09c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アウラ
| 作成日時：2017年11月11日 21時
