−１６７− ページ17
side:S
・
「お願い………っ。」
俺の発した言葉に，返ってこない返答。
不思議に思って，下げた頭をあげてみると…，
「に，にのっ！？」
雅紀に寄りかかるようにして，倒れ込む，
ニノの姿があった。
「すんげー，体あちぃっ。たぶん，上がってるよ…っ。」
さっき流した綺麗な涙を，まだためたまま。
ウルウルした瞳で，心配そうにニノを見つめる。
その視線は，まるでお兄ちゃんみたいで。
そして，その反対に，ニノはものすごく小さく見えた。
「びょ，病院…っ。」
とにかく，今俺らがしてあげられるのは，
彼を病院に連れて行くことくらい。
救急車！？
そ，それとも…っ
「翔ちゃん，救急車じゃ騒ぎになる。俺の車出すから。」
「あ。ありがと。」
パニックになっていた俺に，冷静に指示を出したのは，意外にも雅紀。
とりあえず，震えてるニノの体を，大きめのブランケットで包む。
「翔ちゃんっ，ニノ，寒そう？？」
「震えてる…っ。」
「分かった。暖房つけるから。車内あつくなっちゃうけど，へーき？」
「ん，俺はへーき。」
小さなうなり声が，やけに耳に入ってきて。
なんだか，そんなニノを見てるだけで苦しくなってくる。
「ごめんね。」
なんもしてやれなくて，
ものすごく歯がゆい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 898人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わかぶー(プロフ) - ゆーりんさん» ありがとうございます。私のペースは本当にのろのろで，亀さん以下かもしれません笑だから，亀さん以上になれるように頑張ります！ (2015年6月29日 7時) (
レス) id: e8fdffcb3c (このIDを非表示/違反報告)
わかぶー(プロフ) - ほたるさん» おお，良かった笑 間違ってたらどうしようかと笑 テスト終わったから，更新できるかなぁ。そろそろ。 (2015年6月29日 7時) (レス) id: e8fdffcb3c (このIDを非表示/違反報告)
わかぶー(プロフ) - しずなさん» ありがとうございます。１人で勝手に決めたことなのに，こんなにもたくさんの方が，更新を含めた私情のことも応援してくださる。本当に嬉しい限りです。最後までどうぞお付き合い下さい＾＾ (2015年6月29日 7時) (レス) id: e8fdffcb3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん - 本当に大変なのすごくわかるんで…わかぶーさんのペースで更新頑張ってください!!応援してます!!そしてお互い頑張りましょ!!! (2015年6月28日 22時) (レス) id: 25ff536edf (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - わかぶーさん» そそ！海ほたるで合ってるよ！(笑)次の更新も、楽しみにしてる＼(^o^)／ (2015年6月28日 12時) (レス) id: 657ede5aa7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わかぶー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=0036264675
作成日時：2015年5月28日 19時
