元カノは褒められない。 ページ9
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「…A君、今まで何処に行っていたのだね」
森は『酒が飲みたい』と中原の肩を掴み揺らすAに訊いた。
「アメリカです!」
Aは手を止めて云う。
「如何して米国に行ったのかい?」
「マフィアの密輸船か貨物船の寝心地が良くて寝ていたら、気付いたら自由の女神が見えました!」
森と中原は真顔になった。
ああ、此奴はこういう奴だった、と。
「ミズハラ、相変わらずのアホね!」
エリスが清々しい程の笑顔で云う。
…が、阿保なAにはそれすらも通用しなかった。
「エリーに褒められた!いつ振りだろ、…マフィアのビルの窓を割って空飛んだ時以来じゃない!?」
ああ、そんな事もあったな、と森と中原は遠い眼をする。
空を飛べる中原が羨ましいらしく、我もやりたい!となってやった行為である。
屋上は流石に高いとなり、約15階ぐらいの処の窓を割って其処から飛び降りた。
勿論、重力に逆らわずに真っ逆さまに落ち、地面に激突する前に中原が助けた。
それはそれは大変怒られた(中原も巻き添えで)。
「褒めてないわ、
「エリーってば、そんな言葉も遣えるようになったんだ!良い事だよ!」
話の通じない阿呆である。
「こほんッ、…それで、A君はもう死んだ事になっているのだけども」
森は痺れを切らして云った。
「死んだ事になっているのならそれを利用してパーッとやります!よし、中原!今日は『水原A 蘇り歓迎パーティ』を開こう!君ん家で!」
「なんッで俺の家なんだよ!」
Aが親指を上げてグッドサインをし中原に云うが直ぐに反論がくる。
「我、アメリカから帰ってきて数ヶ月経ったのだけど久し振りの日本のパチやってたら金が吹っ飛んでね。大家に家、追い出されちゃった☆」
「…」
中原の異能でAにかかる重力が重くなる。
「痛い!重い!重い!」
「A君、君はどうしようもない阿保だ」
森は蔑んだ眼でAを見る。
組織の長の目線ではない、第三者の目線で。
「あら、エリーだけじゃなくて森さんにも褒められちゃったよ」
二人はもう諦めた。
早く、早く、誰か首領室にやってきて
「…可哀想」
エリスの声が首領室に無駄に響いた。
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エリス=エリー(水原命名)
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シュピーゲルアイ - 大好きです。更新待ってます。 (4月9日 21時) (レス) @page37 id: af33028691 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 好きすぎます (2月20日 3時) (レス) @page37 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
米粉めこ - 最高です!面白すぎて腹筋こわれましたwww (12月10日 18時) (レス) @page36 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こういうお話好きです!続き待ってます!!! (2022年9月18日 16時) (レス) id: f16cf667ce (このIDを非表示/違反報告)
遠藤氏(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» 自分も笑ってこようって思いまして、入社試験の回を読もうと思ったらどれが入社試験の回なのかわからず、どうしてこんなサブタイにしたのか後悔してますwww (2022年7月30日 18時) (レス) id: d7905a84e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年5月13日 20時