元カノはIQ500じゃない。 ページ24
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少年は異様な雰囲気に吐きそうだった。
普段、嗅ぐことのない血のような臭いが鼻を突きつける。
「ちょっとお姉さん、こんなところに森さんって人がいるの?」
少年はだんだんと不安になってきた。
両親からの忠告を無視した事とか、先刻からすれ違う人が皆 黒い服でサングラスだからだとか。
「いるぞ、いるぞ!森さんはな、天辺にいるのだ!」
景色がいいのが、あ〜ズルイ!、とエレベーターのボタンを押した。
「お姉さん、それって夜を支配する偉い人?」
二人はエレベーターに入った、少し揺れる。
「ああ、そうだよ。森さんは医者でね、すんごい可愛いナースを持っているのさ!」
「す、すんごい可愛いナース…?」
「『可愛いね』って云ったら『可愛い子にケーキを買ってきてよ』って云われちゃったし、あとは…………」
と、Aが長々と喋っているうちにエレベーターは最上階へついた。
「くらっ…!」
「い〜やっほーうい!
扉が開き少年の第一声はAの声にかき消された。
作詞作曲 水原Aの『廊下が長い』は歌わなかった、否、歌えなかった。
なにせ、Aはこの歌の存在自体忘れている。
「ちょ、お姉さん、うるさい」
少年は隣ではしゃぐ成人(精神年齢は五歳)に注意する。
どっちが年上なのかはIQが500あっても答えられない。
「ほら、あの扉に立ってる人、ずっとこっち見てるよ」
指差したのは
恐怖の歌『パンプスいぇい』によって顔面にパンプスを投げられた黒服である。
「むむむっ、お主ら、我はどっかで見たことがあるぞ!」
んー、なんだっけ、あれ。芥川と中原の帽子を八つ裂きにした時か…?いや、もしかしたら、太宰の黒外套をエリーと真っピンクに染めた時かもしれない、とブツブツと呟いた。
「ねえ、サングラスの人 どっか行っちゃったよ」
「本当か!やはり、エリーと森さんのブラックカードを使い果たした時のか!」
はーっはっはっはっは、我に解けない問題などない!!と廊下を一気に駆け抜けた。
解けたのは扉の前に立つ黒服をどける問題だけだった。
Aの頭問題は未だに解けていない。
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シュピーゲルアイ - 大好きです。更新待ってます。 (4月9日 21時) (レス) @page37 id: af33028691 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 好きすぎます (2月20日 3時) (レス) @page37 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
米粉めこ - 最高です!面白すぎて腹筋こわれましたwww (12月10日 18時) (レス) @page36 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こういうお話好きです!続き待ってます!!! (2022年9月18日 16時) (レス) id: f16cf667ce (このIDを非表示/違反報告)
遠藤氏(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» 自分も笑ってこようって思いまして、入社試験の回を読もうと思ったらどれが入社試験の回なのかわからず、どうしてこんなサブタイにしたのか後悔してますwww (2022年7月30日 18時) (レス) id: d7905a84e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年5月13日 20時