【文スト】 太宰の元カノはアホ過ぎる 【太宰治】

元カノは心中を知らない。 ページ17

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　ぎゃあああああああああ



何処からか誰かの叫び声がする。



「ゴキゴキちゃんでも出た？」

Aは隣に座る太宰に訊いた。


「ゴキゴキちゃんよりも質(たち)が悪いよ」

太宰は遠い眼をしながら云う。



ゴキゴキちゃん、もといゴキ○リよりも恐い者、専属医、与謝野の治療である。

少しの傷でも躰をギタギタに切られ瀕死状態になり異能で治される、トラウマ級間違いなしだ。



「水原、私、入水してくるよ」

太宰は急に立ち上がり云った。


「マジ？我、入水した事ないから我も行く」



Aは入水すら何なのか全く理解できてない様子だった。



「本当かい?!なら、一緒に心中しよう！」


「しんじゅう…、心中か！何か良い響きだな！よし、太宰、やりに行こう！」



突っ込み不在。

今すぐにでも異能特務課の丸眼鏡を連れて来い、と知ってる者の心は一致した。


悲しい事に唯一の歯止めとも云われる国木田は倒れた中島の付き添いで事務スペースに不在だ。

となれば、Aと太宰は心中しに川へ行ってしまう。


否、もう行ってしまった。


二人が消えた事に気付いた国木田は叫んだとか叫んでいたとか、いないとか。




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