ドン臭い人 ページ19
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数日後ーー
仕事から帰って来て
先にお風呂に入ろうか、
夕飯の支度をしようか…って考えてると
テーブルに置いた私の携帯が鳴った。
「もしもし？」
“よっ、A、元気にしてたか？”
…って、この声は。
「修くん?!」
“そう、俺、修くん〜”
「ちょっ、何回も電話したんだよ？」
“ん、知ってる 笑”
そりゃあ、知ってるよね？
不在着信で履歴は残ってるだろうし、
LINEには既読がついてたしね…
「じゃあ、どうして連絡くれないのよ…」
さおには、きちんと連絡してるの知ってるんだし
ごまかそうとしても無理だからね？
そんなことを考えながら、私は俺くんの返事を待っていた。
“だって、Aに電話したらあの男もイヤかなぁ…って思ってさ”
「…それって、翔ちゃんのこと？」
“うん、そう。この間も俺が電話したら迷惑そうだったし…笑”
翔ちゃんが、‘迷惑そうだった’って言いながら
その声音は、すごく楽しそうと言うか、笑ってるし…。
「きっと、私が具合悪くて寝てたから、私を起こしたら悪い…とか思って、自然に声が低くなっただけだよ…」
“お前って、ホント昔からそういうところは、ドン臭いよな？”
「ど、ドン臭い…って、失礼な！！」
“だって、そうなんだからシャーないじゃん 笑”
修くんは、昔からこんなふうに私をからかって、イラつかせるのが得意。
「…で？引越しする日決まったの？」
私は、修くんのそんな挑発なんか
なーんにも気になりません…と
わざとアピールしながら、そう聞くと。
“うん、決まったよ”
「いつ？」
“今週末…笑”
「はい？」
“だから、今週の土曜日”
「はあ？！」
“仕事の都合で、一週間早まった 笑”
「笑ってるけど、大丈夫なの！？」
“どうにかなるでしょ？そっち行けばさおりもいるし。”
「引越し手伝いに行くから、時間と場所教えて？」
“だから、さおりがいるから…笑”
…って、私は戦力にもなりませんみたいな発言。
絶対にイラつく！！
“まあ、お前の彼氏に聞いて来れたら来てよ”
「翔ちゃんは、そんなことでどうのこうの言う人じゃないから！」
この時の私は、まだなにも分からないでいた。
修くんが、来ることによって
翔ちゃんが感じる気持ちを
知っていくことになるなんて…
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年2月1日 0時
