TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

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Aさんの診断結果

第５話：不審者！？翌日。
もう少しで閉店の時間に電話が鳴り、私は急いで出た。

「もしもし、小沢楽器です。はい、お世話になっております。少々お待ちください。」
電話の相手はオーケストラ団員の山下さんからだった。

「はい、すぐ伺います。では後ほど…。」
電話を切るオーナー。

「Aさん、急ぎの修理が入ったから今から行ってくるよ。直帰するから戸締りお願い。」
「あっ、はい。気をつけて。」
「じゃあ、おつかれさん。」

オーナーは急いで店を出て行った。
私は一人残されたが、こういう事はよくあることだ。

「お客さん誰もいないから一人演奏会しようかな…。」
椅子に座り、お気に入りの『Begin』を弾き始めた。
数分弾くと私は自分の世界へ入って行った。

…その時、店内に人の気配を感じ、入り口に目をやると、背の高い男の人が立っていた。

「い、いらっしゃいませ…。」
きっと私の笑顔は引きつっていただろう。

入ってきたお客さんは何とも怪しい雰囲気だった。
帽子を目深にかぶり、濃い色のサングラス。
そして、何も言わず店内をウロついている。

「お客様、何かお探しでしょうか？」
「･････。」

その男性は何も答えてくれない。
強盗だったらどうしよう…。もし、お金を要求されたら渡してもいいのかな…それとも、命張って守ったほうが…。
とんでもない妄想が頭を巡る。

♪ジャーーーーーーーーン♪

ビクッ。
男性が不意に弾いたピアノの音にびっくりした私。

そんな私を見て彼は少し困った顔をして、うつむいた。

そして、少ししてから曲を弾きだした。

♪～ ♪～ (ピアノの音)
「あっ、この曲…。」

聞きおぼえがある曲。それはまさしく私がさっきまで弾いていた『Begin』。
しかも、弾き慣れているようでとても上手い･･･。
私は彼が奏でる音の世界へあっという間に惹き込まれていた。

その時、男性の携帯がなった。

(韓国語)「もしもし？わかった、すぐ帰る。」
電話を切ると男性は何も言わず微笑んで店を出て行った。
香水のいい香りだけを残して…。