TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

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Aさんの診断結果

第34話：本当の俺　～ユチョンside～
1時間ぐらい経っただろうか。
Aさんとチャンミンが戻って来た。

「ユチョンさん、楽しい雰囲気を台無しにしちゃってごめんなさい。」
「僕の方こそ…。それより、寒かったでしょ？早く温まってください。」
「うん、ありがとう。」
外は寒かったのだろう。彼女の鼻は少し赤くなっていた。
でも、彼女の表情はさっきより明るくなっていたように感じた。

二人の間に何があったのだろうか？…俺はとても気になった。

「ヒョン、明日も朝から仕事だからそろそろ帰りましょうか？」
「ああ、そうだな。」
少し名残惜しいが俺たちは帰ることにした。

玄関に向かう途中、Aさんがチャンミンのジャケットの裾を軽く引っ張った。
それに気付き振りかえったチャンミンに
「ありがとね。」
小声でそう言うと、天使のような微笑みを浮かべた。

「僕は話を聞いただけですよ。」
明らかにチャンミンは照れていた。耳が赤い…。
俺はそんな2人のやり取りにかなりの嫉妬心を覚えた。

マンションへ帰るタクシーの中、俺は無言のままずっと窓の外を見ていた。
さっきの光景が頭から離れない。

あの時、チャンミンじゃなく俺が追いかけていれば…。
自分自身にすごくイラついた。

いつしか勝手な噂や妄想のせいで、俺のことを“恋愛上手”だと周りの奴らは思っている。
しかし、実際は違うんだ。
臆病になる時もあれば、後悔することもある。
他の人となんの変りもない。

今も後悔で頭がいっぱいだ。
そんな俺にきっとチャンミンは気付いているのだろう。
余計なことを言わないように、隣で寝たふりをしてくれている。

はぁ…年下に気を遣わせてるなんて…(苦笑)。
窓に映ったもう一人の俺は哀愁が漂っていた。