TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

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Aさんの診断結果

第４話：オモニ　～ユチョンside～
時計を見た彼女は慌てている様子だった。
鍵盤のふたを閉じ、荷物を持ち、急いでいる様子でこっちへ来た。
俺は思わず身を隠した。

「戸締りオッケー！」
彼女はドアに指を指し、独り言を言った。
その可愛らしさに思わず吹き出しそうになった俺。
そして彼女は走り去って行った。

そのわずかな時間は、まるで、コメディでも見ているかのような感覚だった。

すっかり楽しい気分になった俺は、行きつけの韓国料理屋に向かった。
ここは、俺がよく一人で来る小さなお店。

(韓国語)
「まぁ、ユチョン。いらっしゃい。」
笑顔で出迎えてくれたこの女性は日本のオモニ。彼女は韓国から日本に来て数十年。大先輩だ。

「こんばんは。いつもの下さい。」
そう言うと俺はいつもの席に座り、さっきの彼女のことを思い出していた。

そんな俺の顔をオモニはじっと見て言った。
「何かいいことあったのね！」

「どうして？」
「顔がにやけてるわよ。」
俺は慌てて表情を引き締めた。

「あはははは、ユチョンはホント素直だね～。(笑)」
そんな俺を見て、豪快に笑い飛ばすオモニ。

「からかわないで下さいよぉ。」
この人には適わない。何でもお見通しだ。

韓国焼酎を飲みながら、さっきの彼女のことを再び思い出す。

「また、会いに行こうかな。」

今日はやけに一人酒が美味く感じた。