TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:191,296 hit

Aさんの診断結果

第２話：Ｂｅｇｉｎ　～ユチョンside ～
東方神起として日本で活動してもう5年。
初めは慣れない環境に悪戦苦闘の毎日でホームシックにもなった。
でも今は、日本の生活にも慣れた。いや、慣れ過ぎたと言ってもいい。刺激がなくて退屈だ。

人気が出ると外を歩くのも不自由だ。
帽子、サングラスは必ず着用。人目を気にしながら街を歩く。
「…俺は犯罪者か！？(笑)」

面倒くさいのは嫌いだから、最近はもっぱら夜に行動する。
暗闇が街を包み込むと昼間よりは自由に行動できるからだ。

今日も気分転換に街をぶらつく。
街には酔っ払いのサラリーマンやＯＬ、合コンでもするのかテンションの高い男女…。
「何が嬉しくてそんなに浮かれているんだ？」
楽しそうな奴らを見ると自分の人生が妙に虚しくなる。

俺は虚しさから逃げるように静かな細い路地に入った。
すると聞き覚えのあるピアノの音色。

「この曲は…。」

音に誘われ、ある小さな楽器店へたどり着いた。
ドアは鍵が閉まっているようだが、店の奥に明かりが点いていた。

俺はサングラスを外し、店の中をよく覗きこんだ。

気持ちよさそうにピアノを弾く女性。
時折目を閉じ、自分の世界へ入り込んでいる。
彼女の弾くピアノは、プロみたいに安定性はない。
が、その独特な音のリズムにいつの間にか俺も彼女の世界へ惹きこまれていた。

曲も終盤に差し掛かったとき、彼女が歌いだした。
「ははっ(苦笑)。」
お世辞にも歌は上手くなかった(笑)。

「Every day and night with you～ふるえる君の手を握・・・」

そして、演奏がストップした。
「はぁ…。なんで私って音痴なの？せっかくいいところだったに。…台無し(苦笑)」
彼女は自分の音痴さに苦笑いしていた。
そして、そんな彼女を見て俺は自然と笑っていた。