カノキドティータイム2(短編集)

(=゜ω゜)ﾉ

クリームソーダ*５*｢さ、なんでも好きなもの頼んでいいからな。遠慮するなよ？｣

アジトへの帰り道、途中で入った喫茶店の中。

つぼみは僕を真っ直ぐに見据えて言った。

…女の子に奢らせるなんて、なんだか落ち着かない。

｢そんな、ホントにいいのに…。僕はそんなつもりは微塵もないんだけど…。｣

と言いかけて、彼女がこちらを睨んでいるのに気付き、やめた。

怖い怖い。

結局、僕はアイスコーヒー、つぼみはクリームソーダを注文した。

｢つぼみ…クリームソーダなんて可愛いね？｣

僕がからかうと、

｢うるさいな、殴るぞ！｣
と少しむくれた。

さて、と話を切り出したのはつぼみだった。

｢修哉、その…今日は、ありがとう。俺のわがままに付き合ってくれて。｣

おお、とうとうつぼみもここまでデレるようになったか。

…という思考は置いといて、

｢いやいや、僕の方こそ、奢ってもらっちゃって悪いな。｣

と返した。

何せ、つぼみの可愛いところがたくさん見られたんだもの。

すると、

｢そんなことないさ。…だって、俺からは何もあげられてないし…。｣

と、少し申し訳なさそうな笑みと共に答えが返ってきた。

何を言っているんだ、この子は。

｢そんなことないって！僕はただ、つぼみが一緒に居てくれるだけでいいのに…。｣

｢そうなのか…?｣

と、少し俯いてクリームソーダのバニラアイスをスプーンでつついていた彼女が顔を上げた。

｢そうだよ、僕はそれだけで充分だよ？｣

僕が笑いかけると、しゅんとしていたつぼみもいつものようにニッと笑ってくれた。

その笑顔が可愛くて、何故かどぎまぎしてしまう。

｢…ほら、ぬるくなる前に飲んじゃおうよ。｣

照れ隠しに言った言葉に、つぼみは｢ああ、そうしようか。｣と返した。

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