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「あ！おかえりー。帰ってくるって連絡くれてた？」
『いや、してへん。取引先から直帰やったから』
「ごはんまだ準備してなかったよ」
『ウーバーでええやん。ってか、なに見てたん？』
「ミーから修学旅行の写真送られてきた」
『え！マジ？ウーバー適当に頼むから、俺シャワー浴びたら、その写真、全部見るからな！消すなよ！』
永瀬は叫びながら、シャワーを浴びにダッシュ。
「そんないそがなくても、写真はなくならないのにね」
永瀬はこういうときちょっと焦るのが可愛いんだよな。
そんなことを考えながら、ウーバーのページをひらいた。中華がいいかな、酢豚がいいかな。
『あー！写真ちゃうやん、ウーバやん…』
髪の毛から大量の雫を垂らしながら永瀬が私の後ろにやってきた。
「永瀬、タオル使って！すごい濡れてる！」
『早よ見たいやん、JKスタイル笑』
「バカにしてる？もぉ！今日は中華にするからね！」
『わーった、わーった、俺はレバニラと餃子とエビチリと白飯』
「おっけ。じゃあ頼む」
『俺のスマホで頼むから、そのままJK写真出して』
「そんなに期待されても困る…」
『ええから！Aは酢豚やろ？』
「そのとおり！」
永瀬はカチカチと指を動かし、注文完了。
『さ、ゆっくり見せてもらおかな』
最初の写真はミーとリーと私の３人でピース。
『おーJKやん。スカート…』
「なに」
『ミーちゃんとリーちゃんは生粋のギャルやんな。スカートの丈エグいな。男みんな下から覗いとったやろ』
「……そんなことしたら、ミーの彼氏に殺されるから」
『あー、あのエグザイル』
「エグザイルって笑 ミーの彼氏は先輩で、いちばん怖い先輩だったから、ミーにちょっかいかけるやつなんかいなかったよ」
『なるほどな』
次の写真は、クラスの男子5、6人と私たち女子３人
『………』
「あれ？感想なし？」
永瀬は無言で次の写真へ。次は私とミー、男子３人でソフトクリームを食べているやつだ。
『…………』
え、すごい楽しみにしてくれてたんじゃないの？
あんな髪の毛から雫垂らして、見にきたのに。
無言でどんどんスクロールしていく永瀬。
『………』
「………」
私は居た堪れなくなって、ビールでも飲もうかと立ち上がった。
すると、ガシッと腕を掴まれて、またソファに座らされた。
『…………コイツ』
永瀬は私の隣に立っている男子を指さした。
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作者名：あおば
| 作成日時：2025年5月9日 20時
