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「ってか、ミー、元気？」
「元気だよー！さっきね、修学旅行の写真が出てきて、それをモモと見てたの」
「え！修学旅行？」
「そうそう！奈良公演で買った、鹿のおもちゃの写真出てきて、超ウケる」
「あれ懐かしいね。でも、私は買ってないから！買ったのはふたりだから！」
「あはは。でも、Aもほんとは欲しかったでしょ？」
「欲しくないって！あはは。」
そうこうしていたら髭を剃り終えた永瀬が現れました。
『モモちゃーん』
私の横から画面に向かって話しかける永瀬。
「ごめん、もうモモ外で遊んでるわ」
『え…』
「永瀬、フラれたね」
『マジか…すぐ髭剃ればよかったわ…』
項垂れる永瀬を尻目に、私たちは思い出話に花を咲かせていた。
「あとで、鹿の写真送る」
『鹿？』
「永瀬はいいから！入ってこないで！」
「AのJK時代の写真送るから見てねー！じゃあね」
「うんまたね！バイバイ」
電話が切れた。
そしてすぐ送られてきた、鹿のおもちゃの写真。
『なんこれ』
「ほんとだよ、なんだろ、あのときはめっちゃ盛り上がったんだけどね」
私たちは写真を見て、顔を見合わせた。
『ってか、修学旅行って、関西だったん？』
「そうだよ、北海道の人は関西と東京、って感じ」
『マジか。関西ってどこ見たん？』
「京都と、U○○」
『マジ？大阪市内は？』
「ほとんど見てない。すぐU○○行ったから」
『そうなんや』
「通天閣とか、見てみたかったけど、ミーがとにかくU○○でスヌーピー見るってきかなくてさ。だから市内観光しなかったの」
『行きたい？』
「行けるなら行きたいよ」
『じゃあ、行く？』
「え…？」
『ってか、大阪なんて、俺のホームやもん。なんで今まで一緒に行こうって思わんかったんやろ』
「……永瀬は、基本どこにも出かけないでしょ…」
『じゃ、決まりな』
ふんふんふーんって、鼻歌を歌いながら
永瀬はスマホを操作する。
『おっけ』
「え…？」
『もう予約した。来週の三連休な』
「はい？」
永瀬って、ほんと、勝手だ。
でも、嫌いじゃない、その感じ。
……大阪で、なにしようかな…
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作者名：あおば
| 作成日時：2025年5月9日 20時
