会えない数だけ (ページ2)

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『明日、卒業式か』

「うん、ようやく」

『そしたら俺たちも来月で出逢って3年？くらいか』

私が彼と出逢ったのは3年前、高校一年生の時

入学式の次の日、初っ端から寝坊した私は

遅刻しないようにと駅から走った

「キャ！」

走ることに夢中になって周りを見ていなかった私は

十字路で自電車が来ていることなど気づかず、

ぶつかってしまったのだ

『大丈夫？ごめんね』

「あっ、私こそすいません
怪我ありませんか？」

『俺は大丈夫だけど、君は？
てか制服一緒！めっちゃ綺麗だしもしかして1年？』

「よかったです、私も大丈夫です
あ、ほんとだ(笑)昨日入学しました」

『そっか～新入生か～、、、って！遅刻する！』

時間を機にすることもなく話し込んでしまった私たちは

遅刻していることを忘れていた

「私のせいですいません！
それじゃあ！」

『や、ちょ！待って！！』

走り出すと突然掴まれた腕

『後ろ、乗って？』

「、、、へ？」

『初っ端から遅刻は嫌でしょ？(笑)
俺の後ろ乗ったらすぐだよ～』

「や、でもそれは、、、」

『じゃ、これはどう？先輩命令！
これなら断れないよね～1年生(笑)』

こういう人いるよね、先輩命令使う人

「じゃ、すいません、お願いします」

『はいよ～
俺今から猛スピード出すからここ捕まってて』

そう言ってまた私の腕を掴んで

先輩のお腹を包み込むように寄りかかった

『よし、出発～！！』

本当に猛スピードで走る先輩に

落ちそうで怖い私はしっかりと捕まって

背中に寄りかかった

今でも覚えてる

ワイシャツから香る柔軟剤の匂いと

先輩が付けていたほんのり甘い香りの香水

これが私の青春1ページの始まりだった

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