シロツメクサの花冠 (ページ45)

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廉「キスしたん？」

「、、はぁ？」

莉奈がバイトに行ってしまったから

1人教室で皆んなの部活を待っていた時だった

サッカー部の永瀬が練習着でフラフラと教室に入って来て

とんでもないことを言った

廉「海人が見たって言っとった」

「ふーん」

廉「で？したん？てかしたんやろ？」

「なんでそんなにしつこく聞いてくるの？」

廉「付き合ってない奴とキスするとか
Aじゃないやん、なんか」

「そんなの鉄パイプの想像でしょ。
理想と現実は違うんだって、ほら部活行きなよ」

手で追い払うが、真実を言うまで戻らないと

なんとも面倒くさい男というか

廉「そんなんやったら俺ともキス出来るんちゃう？」

「は？」

廉「だって付き合ってないのに幼馴染とも
ちゃんとキスしたんやろ？それやったらさ」

「意味分かんないんだけど、座らないで戻ってよ」

廉「言うて後15分で終わりやし」

「そういう問題じゃないから。
てか私もう降りるからね、じゃあ」

いつもは終わる5分前で降りるけど

いつまでもここにいたら本当に帰れなくなると思い

まとめておいた荷物を持って椅子から立ち上がり

ドアに向かおうとしていたのに

「離してよ」

廉「嫌や、答えるまで離さへん」

「じゃあ何？キスした、とでも言えばいい？
それだけ伝えれば満足？」

廉「せやったらええよな」

「はぁ？もういいかげ、、、、、」

腕を引っ張られて、私の唇には

鉄パイプの唇が触れていた

正確に言えば、強引にキスされた

「、、ありえない」

廉「ありえないも何もAだって」

「唇にされてないのに、最低」

そう言って手を振りほどき、教室を出ようとした時だった

『っ、、』

「、、慎太郎」

『ごめん、お取り込み中だったよな』

「違う、違うよ」

廉「そうやで、取り込み中やった」

「ねえ、嘘やめ『俺先に帰るね！』

来た道を走って戻る彼

「いい加減にしてよ、どういうつもり」

廉「って、こうでもしなきゃAが手に入らん、、」

「、、最っ低」

唇を手の甲で必死に拭いながら彼を追いかけたけど

結局家までの道のりも追いつくことなく、

1日を終えてしまった

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