シロツメクサの花冠 (ページ42)

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「上がった」

『もっと言うことないの(笑)』

「上がったものは上がったし」

後夜祭恒例の打ち上げ花火

樹と莉奈は2人で屋上行っちゃうし

北ちゃんとジェシーは翔太くん達と見るって言うから

結局残された私達は教室の窓からひっそりと花火を見る

「終わっちゃうね」

『あっという間だったな』

「忙し過ぎて痩せたよ(笑)」

『だよな～、俺のせいだよな』

「なんで？」

『1人で背負わせ過ぎた』

「もうその話はやめよう(笑)」

『でも、』

「これ貰ったからチャラね(笑)」

そう言って頭に乗っている花冠を取って彼に見せる

「けど、なんでこれにしたの？」

『Aこの花好きじゃん？
それに、家に置いてあったからさ』

「家にあるやつ、誰に貰ったか覚えてる？」

『あぁ、ボロボロのやつ？』

「ボロボロって言うなし」

『噓だよ(笑)ちゃんと覚えてるよ』

「ほんとに？」

『俺が忘れてるとでも思った？』

手に持っていた花冠を私から取って

それをまた、私の頭の上に乗せる

『待たせてごめん』

そのまま彼の大きな手が私の頭を優しく包み込み、

少し分厚い唇が、おでこに触れた

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