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2話 ページ4

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何十年ずっとここにいた
読み書きが苦手であまりできない私に優しく接してくれたのが兄さん被検体同士で話すのは禁止だから
こっそり目を盗んでお喋りしてた
私の名前を知ってるのも兄さんと 博士 くらい

兄さんは目を光らせて私の方へ手を向けた



「必ず逃げ切るんだきっと奴らはAを追う、逃げ続けろ妹よ、俺の分まで幸せになってくれ」


『うん、必ず、兄さん』



すぅっ、と体が浮く
魔法を使ったことを検知した部屋は
けたたましい警報を鳴らす





「じゃあな、」






そう笑う兄さんを最後に私は研究所の門のすぐ外
に勢いよく落ちた


『ぅ゛ぁっ……』


膝がずりむけたけどそんなの気にしない
裸足のまま私は走った全力で走った
警報が鳴り止まない施設から少しでも遠のくように
街からだいぶ離れたここから街をめざして私は走った

研究所の門の外に出たから脳に電流が流れたような感じがして記憶が曖昧になる

研究所のことや実験の内容とかが思い出せないようになっていた唯一忘れないように頭を働かせたのは兄さんのこと





『きっと、たすけにいく、から…兄さん』






走ったことなんて全くなかった
少ない体力を振り絞って足を進めた
すぐに奴らがおってくる
私の耳にはチップが埋められてるこれを外さなきゃ
なにか鋭利なものを見つけて耳をちぎることも頭に入れて走り続けた









外の世界はとても空気が澄んでいた









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作品ジャンル:恋愛
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作者名:くるぶしてゃん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月21日 17時

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