無知な少女は愛を知る【魔法パロ】 (ページ29)

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27話ページ29

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あれから数日
エーミールさんとの授業が始まって
思ってたより多くの言葉の読み書きができなかった私に丁寧にたくさんの言葉を教えてくれた
どれも素敵でおもしろくて
なによりエーミールさんの淹れる紅茶がとても好きになった

「ふぅ、だいぶ成長しましたね」

『はい、全部エーミールさんのおかげです…』

「いいえ、Aさんの努力の賜物ですよ」

くすくすと笑って紅茶を口に運ぶエーミールさんはとても綺麗なのだ

「さて、ある程度読み書きも十分に出来ましたし次のステップに行きましょう」

『次のですか』

「はい、その様子じゃこの世界の歴史や必要な情報もまだ掴めてないでしょうし、よければ1から一緒にお勉強しませんか？」

まっすぐ目を見て私に優しく問いかける
エーミールさんに大きく頷いて喜んでおねがいします、と言う

「ではまずこの世界の基本、魔力についてですね」

エーミールさんは本棚から分厚い本を一冊手に取り私に渡してここのページです、と開いてくれた
本の中はだいぶ古いものなのかコーヒー色をしていて
薄く乾いたような触り心地だ

「まずこの世界は赤子から老人まで内に秘める
《魔力》を媒介、消費して《魔法》を使って生活をしていますね、魔力が無ければ魔法は使えない、今の貴方がそうであるように」

本の内容を覚えているのか
淡々と心地よい声色で話すエーミールさん
ぺらっ、と次のページを捲れば
金色の髪の長い老人の絵が大きくかかれていて
それを囲うように5人の人間が膝まづいてる挿絵

「大昔、まだ人間が魔力なんて持たずに暮らしていたころです、人々は飢饉に苦しみ病気に悩まされそして多くの命が早く亡くなった、それを見兼ねた神は5人の若者に贈り物をしたのです」

『それが……魔法……？』

「ええ、正確には5人に別々の魔力と魔法の知恵を与えたのです

火は人々を暖め水は人々を癒し風は幸福を運び
土は自然を蘇らせ光は人々の道標となる

神はこの5つの魔力を授けたのです
5人の若者はまず力をつかいやれるだけの事をして世界を救いましたそして人々に魔力を《分け与えた》のです」

ふぅ、と一息ついて紅茶を飲むエーミールさんにつられて私もお茶を飲む

「魔力には5つの属性がありまして先程の通り
火、水、風、土、そして光、それぞれ特性がありそれぞれにしか扱えない魔法もあるんですよ」

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