愛屋及烏 【呪術廻戦】

13話 : いただきます ページ13

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｢なんとか出来たね｣

｢五条に押し付けたはずなのに、ほんと使えない｣

｢……うるせー、料理なんて出来なくても生きていけんだよ！？｣






と五条は恐らく家入から食らったであろう頬の紅葉を擦りながら、

スプーンとお茶をみんなに配り、自身も着席する。






｢おーし、じゃあ、いただきますっ！｣






と手を合わせてそう告げた後、五条はスプーンを握り、カレーを掬う。

家入もそんな五条の後に続き、いただきますと告げた。



その様子を不思議そうに見ているA。



Aの前に座っている夏油は、その様子に気づき、

先程包丁の使い方を教えた時のように、






｢A、こうやって掌を合わせるんだ｣






と実演し、真似するAを見つめる。






｢そうそう

そして、いただきます｣






と夏油が告げると、






｢……いただきます…？｣






とAも告げる。



何をしているのかをよく分かっていないのか、不思議そうに夏油を見つめ返すが、

夏油は笑って、






｢よく出来ました

さぁ、冷めないうちに食べてしまおう｣






とスプーンを取り、カレーを口に運ぶ。



辛さは中辛だろうか、辛すぎず、甘すぎず、丁度いい辛さが舌を刺激する。



じゃがいもと人参は丁度良い大きさで食べやすい。

が、玉葱は火は通っているものの、上手く切れておらず、繋がっているものも多々ある。




その玉葱を切った本人はというと、





｢おっ、初めてにしては俺上手くね！？

めっちゃ美味いじゃん！｣


｢五条、何もしてないじゃん｣


｢玉葱切った｣


｢全然切れてないけど？｣


｢肉焼いた｣


｢黒炭にしたから、捨てたじゃん｣


｢火の番をした｣


｢それだけかよ｣






と家入の言葉に、拗ねる五条。



カレーの調理において、言い返せる言葉が無くなったのか標的を変えて、






｢つか、A

お前、いただきますも知らねーの？｣


｢あ、話逸らした｣


｢うるせー｣






と家入に対し、舌を出す。



その後、五条がどうなったかと言うと、

もう片方の頬にも紅葉がついたのは言うまでもないだろう。










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