学長との面接 ページ23
「はい､此処だよ」
なんて広い学校だ
寮から出て中庭を通り…離れの何に使うかも分からないような部屋
こんなにも広いというのに誰とも会わなかった
土地の無駄遣い…と思ったことは黙っておこう
『失礼しまーす…』
就職の面接だったら一発アウトな第一声
中は思ったよりも広く､沢山の柱の一つ一つに蝋燭の光がユラユラと揺れていた
それでも尚､部屋は何処か薄暗い…
オレンジ色の光が…中央奥にいる男性の存在感を更に際立たせた
「…来たか」
まるでプロレスラー蝶野…ゴホン
サングラスをかけた厳つい大柄な男性が座っていた
そして周りに…
『ぬいぐるみ…？』
そう､大量のぬいぐるみがその男性を取り囲むように鎮座している
似合わねぇ…
「この人が夜蛾学長 見た目はこんなだけどぬいぐるみ作りが大好き…」
「ぬいぐるみではない 呪骸と呼べ」
呪骸…って何？とは聞ける空気ではなく…
「さっき見た子達の中に着ぐるみ みたいなのいなかった？」
『あ…ごめんなさい そこまで見てなかったです』
焦って逃げちゃったし…
「んー…そっか じゃあ会った時に説明するよ」
「…五条 勝手なことを言うな まだ編入が決定したわけではない」
学長の言葉にフンッと嘲るように鼻で笑う五条先生
「…それで､君 名前は？」
学長が私に目を向けた
普通に怖い
街で通行人と ぶつかったら土下座されるんじゃないか？
『…紅莇(あざみ)Aです』
「あぁ､私は夜蛾正道 都立呪術高等専門学校の学長だ 来てもらって早々悪いが早速本題に入らせてもらう "君"は何のために此処へ来た？」
その質問の意図が分からず､一瞬答えに悩んだ
『えっと…』
「君が､何故呪術というモノを学ぼうと思い此処へ来たのか 私はそれが知りたい」
あぁ…そういうことか
こういう場合､相手にとって耳障りの良い言葉をツラツラと話せばいいだけだ
私はコレでもかと言うほどの営業スマイルで口を開いた
『私…先日自宅へ帰る途中 呪霊と遭遇しまして…今にも殺されるという時､五条先生に助けて頂いたんです その時…私も五条先生のように誰かを助けることが出来る人になりたいと思って…』
嘘をつく時は1割ほど事実を捩じ込むのが正解
よくもまぁ こんな嘘が咄嗟に出てくるものだ
五条先生は口を覆って今にも笑い出しそうなのを堪えている
「…なるほど」
学長は納得したように頷いた
なんだ 案外チョロい
私は胸を撫で下ろした
「…御託はいらない それで…君の"本音"は？」
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セイ - コメントありがとうございます！前述した通り､私文章を賞賛されることがすっごく嬉しいです…！これからも読んで下されば幸いです (2021年3月8日 23時) (
レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
庭にワニ - この作品がすごく好きです！表現から使う言葉からとても小説然としていて、もっとたくさん貴方の文が読みたくなりました。応援しています。 (2021年3月8日 14時) (レス) id: b2acb73c6a (このIDを非表示/違反報告)
セイ - 狗巻先輩推しなのバレちゃいましたか…えへ文章力で褒められるの少ないのですごい嬉しいです ありがとうございます (2021年3月2日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ロビン - 最近の更新で主様が狗巻推しなのめっちゃ伝わる、、笑これって狗巻と夢主ちゃんがくっつくＥＮＤってありますか？？いつも更新ありがとうございます！主様の表現の仕方で場面の状況が簡単に想像できるの本当にすごいです、、、 (2021年2月28日 23時) (レス) id: 955356ab25 (このIDを非表示/違反報告)
セイ - 待って待って自分がめちゃくちゃ考えた所アッサリバレてるの恥ずかしすぎる…もっと難しくしよう… (2021年1月31日 23時) (レス) id: 8e72f4c5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セイ | 作成日時：2021年1月15日 3時
