【呪術廻戦】くいーん・あい【五条悟】

20話 ページ21

数日後


「悟様、いらっしゃいませ。」


「こちらです。」


五「どうも。」



五条の姿はAの実家、姫乃宮の本家にあった。


客間へと通されればそこには既に先代当主とAの母親の姿。


五条が入れば、2人は席を立ち深々とお辞儀をした。


「悟様、ようこそお越しくださいました。」


「そちらにおかけください。」


先代当主、姫乃宮梅-Aの祖母である。


そして姫乃宮家幹部、姫乃宮楓-Aの母親である。


姫乃宮家は女性が主体で、男性はその補佐をする他とは違う掟があるらしい。


血の繋がりあり実力が認められれば誰でも姫乃宮家当主の座につくことが出来るという話だ。



梅「当主が不在で申し訳ありません。」


現在の当主は楓の妹である姫乃宮桜が務めている。


五「別にいいよ。話が聞ければそれで。」


楓「話というのはAのでしょうか…あの子何かやらかしました？」


心配そうに五条に問いかける楓は母親の顔をしていた。


五「やらかしてるのはいつもの事だけど。」


そう言った途端に2人は額を押さえる。


五「でも今日はその事じゃなくて、ずばり姫乃宮の目について聞きたいんだ。」


梅「目、ですか？」


五「さすが秘密を守る人間は嘘をつくのが上手いねぇ。」


楓「そう言われましても、我々には何のことかさっぱり。」


五「姫乃宮に伝わる秘密の目の話だよ。」


梅「秘密の目。そんな大層なものがあれば姫乃宮の地位はもっと上にあるでしょう。悟様も面白い事を言う。」


クスクスと笑みを浮かべる2人に対し、五条は身を乗り出す。


五「姫乃宮って皆姫乃宮か。Aはね僕の事が大好きみたいでさ。」


楓「それは聞いております。たまに帰ってきたと思ったら悟様のお話ばかりですので。」


五「Aがね、自分からは言えないけど上がいいって言えば教えるって言うんだ。それって何かあるの確定でしょ？」


楓「あんのバカ娘…」


楓は苦虫を噛み潰したような顔をし、梅は呆れて頭を抱えていた。


五「あっでも元々は楽巌寺学長が僕の前でAに目の事を聞いたからだよ。」


梅「あの狸爺っ」


五「って事で教えて貰える？」


五条が言えば顔を見合わせる2人。


梅「いくら悟様のお願いでも…こればかりはお教えする事は出来ません。」


五「何で？」


梅「それだけ重要な事だとしか。ただあの子は呪力の出現も遅かったですし、目については普通だと本人も言っております。」


五「普通ねぇ。本当かな。」

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