32話 ページ36
「……この人数を相手では分が悪いな。」
「おっと!この包囲から逃れられると思っているのかね。」
マスタングが手を挙げれば、銃を持っている部下たちが一斉に射撃体勢をとる。
しかし、スカーはそれよりも早くに動き出す。右手で突き、得意の分解で地面に大きな穴をあけた。徐々に崩れていく床に巻き込まれないように皆スカーとは反対側へと逃げていく。
崩れがやっとおさまり、ハボックはゆっくりと穴の中を見つめる。
「あ…野郎地下水道に!!」
「追うなよ。」
するとハボックは、あんな奴追いませんよ、と苦笑いして返す。すると、今までどこにいたのか、遠くのほうから少し明るい声が聞こえた。
「お?終わったか?」
「…ヒューズ中佐…今までどこに。」
「物陰に隠れてた!」
ヒューズは親指を立て、なぜか自信満々に答える。
「おまえなぁ、援護とかしろよ!」
「うるせぇ!俺みたいな一般人をお前らデタラメ人間の万国ビックリショーに巻き込むんじゃねぇ!!」
イラついているマスタングには目もくれず、次々と部下に指示を命令していく。
「ところでロイ、あの子は一体……。」
「…っと、そうだA…!」
その時ヒューズは、ふと目線をずらした。ヒューズが言ったあの子がAだと分かったマスタングは、はっと思い出したようにAを探し出す。するとAは、ふらふらと歩いていた。どうやら、エドワードの所へと向かっているらしかった。声をかけようとしたが、何時もとは違う雰囲気に、伸ばしかけた手をおろす。
「…ロイ?」
「…Aは大丈夫だ。自分の命を粗末にするようなどこぞの馬鹿に、説教しに行くんだろう。」
そう言う顔は、どこか柔らかかった。Aの方を見て優しく微笑んでいる。
しかしそれはほんの一瞬で、すぐさま眉をひそめる。ヒューズも、その近くにいたアームストロングも、同じような顔をしていた。
「まったく…厄介な奴に狙われたもんだな。」
「…イシュヴァ―ルの民か……」
―――――まだまだ荒れそうだ。
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やっと次主人公ちゃんの登場…長かった…!!(汗)
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キラ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (2018年11月3日 17時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - エド落ちキタあああ! (2018年9月30日 12時) (レス) id: 4351e9dc27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - すごいなあ、彼女ちゃんは身体はってでも、二人を守ろうしたのね、それにエドは彼女ちゃん好きなんだ次回はどうなるのかな楽しみです (2018年7月3日 8時) (レス) id: 593bd57e41 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる(プロフ) - 晋陽さん» ひぇぇぇコメントありがとうございます!!頑張ります!これからも宜しくお願いします!ちなみに私もグリリン好きです← (2018年1月29日 22時) (レス) id: 88c9b03fcd (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - とっても面白いです!更新頑張って下さい!ちなみに、グリリンが好きです!← (2018年1月29日 19時) (レス) id: 8ef45f8c23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーぶる | 作成日時:2017年12月27日 13時