10話 ページ11
「ま……て、心臓…!?」
「そ、そんなことって…!!」
二人は今まで以上に驚いている。
心臓は言うなれば人間の核。それ無しで生きているという事実は、すぐに受け入れるには難しいことであった。
「じゃあ、何でお前は生きて…!?」
「分からないですよそんなこと!!…でも……聞こえ、ないんですよ…。」
Aは自分の心臓があるはずの所に手を当て、受け入れ難い事実に、顔を歪ませ下を向きながら、なんとか言葉を発する。
「………自分の、心音が…聞こえないんです。」
すると、兄弟二人もグッと顔を顰め俯いてしまう。
沈黙を破ったのは、マスタングだった。
「…とりあえず、事情は分かった。嘘をついているようには思えない…それに、」
マスタングはふいに目元を緩ませ、ほんの少し笑を零した。
「こんなに可愛くて可憐なお嬢さんを放っておけないからね。」
ガシャン。
「大佐、ふざけないで下さいますか。こんな時でも無能ですか。」
「……冗談だ。あ、いや、可愛いというのは事実だが。」
少し部屋の空気が軽くなった気がした。エルリック兄弟もマスタングの方をぽかんとした表情で見ている。
「…さて、では話を戻そう。」
あんたが逸らしたんだろ、マスタングを除くこの場にいた者は思った。
そんなことを気にせず、マスタングは机に肘をつき、組んだ手を口元を隠すように持ってくる。
「Aのこれからだが……どうだね」
────エルリック兄弟達と一緒に旅をするというのは?
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キラ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (2018年11月3日 17時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - エド落ちキタあああ! (2018年9月30日 12時) (レス) id: 4351e9dc27 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - すごいなあ、彼女ちゃんは身体はってでも、二人を守ろうしたのね、それにエドは彼女ちゃん好きなんだ次回はどうなるのかな楽しみです (2018年7月3日 8時) (レス) id: 593bd57e41 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶる(プロフ) - 晋陽さん» ひぇぇぇコメントありがとうございます!!頑張ります!これからも宜しくお願いします!ちなみに私もグリリン好きです← (2018年1月29日 22時) (レス) id: 88c9b03fcd (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - とっても面白いです!更新頑張って下さい!ちなみに、グリリンが好きです!← (2018年1月29日 19時) (レス) id: 8ef45f8c23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーぶる | 作成日時:2017年12月27日 13時