やっぱり面倒くさい【QK】

ブラックアイボリー ページ6

「いやぁ、まさかまさか。こんなところでブラックアイボリーコーヒーに巡り合えるなんて思ってなかった！しかもね、しかもね、これ！深煎り！日本って大体が中煎りなんだけど、にっがーいのが好きだから本当嬉しい！出会えたのって運命？？凄くない？」

「そもそも、俺そんなにコーヒー詳しくないから知らないけどブラックアイボリーって何処の豆？」

「象のフン」

「ジャコウネコのフンから採れる豆があるのは知ってたけどそれは初耳」

「ジャコウネコのは昔、映画化されたからねぇ。こっちも、めちゃくちゃ美味しいよ！飲んでみる？」


ほい、とカップをこちらに渡してくるAちゃん。可愛いやん！エスプレッソカップに入ったコーヒーをほんの少しだけ飲んでみる。
うん、これは美味しい。ブラックコーヒーはあまり得意じゃないけど、飲める。


「…うまい」

「I see」


まさかカフェに案内してあげただけでこんなに喜んでもらえると思っておらず、びっくりした。連れてきてあげて良かった。ここの売りは確かアフォガードフレンチトースト。


「今度、学校帰りにここ食べに来ない？フレンチトーストにアフォガートがのったやつが美味しいらしいよ」

「That's sounds goods！Mr.須貝！約束ね！フレンチトーストってヨーロッパが起源とされてるけど、やっぱり日本って美味しいの。しかも、甘いフレンチトーストにアフォガート？考えた人は特許を出すべきだったんじゃない？ちなみにアメリカのフレンチトーストはハッラーを使うんだけど、日本の食パンも衝撃だったわ。でも食パンがあんなにふわふわで美味しくなるとは思わないでしょ？」


Aちゃんは好きなものに関しては饒舌になるタイプ。クイズ王と同じである。
しかもこれがまた知識をはべらかすように喋るのではなく、イキイキと喋るので聞いているこちらも楽しくなるし興味がそそられる。あと、面白い点でいうならかなり個性的な意見も喋ってくれる。
まさかフレンチトーストでここまでテンションが上がってくれるとは思っていなかったので驚いた。


「よーし！フレンチトーストのためにお仕事頑張りましょー！！」


なんかズレてる気がするけどまぁいいか。


「ね！！！ちょっと！あっち！！みて！」




【 タピオカドリンク専門店 好茶 】


「いこ！！いこ！！いこ！！」

「ちょ、わかったから！」


腕を引っ張ってくるAちゃんは小学生並みにテンション上がってる。
あー、めっちゃ俺振り回されてるやん。

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