. ページ23
Aの左手をぎゅっと握って口元に持って行ってキスをした。
五「……A、2日もずっと寝てて、このまま起きないんじゃないかって、本気で心配した。」
『ごめ…んね』
喋りにくいのか酸素マスクを少し横にずらして続けた。
『あのね、今回の呪霊のことなんだけど、』
五「伊地知から聞いた。最初窓の報告では目視してから1時間って報告があったって伊地知も上からそう聞いてたらしい。でも本当は目視してから2時間で、上がわざわざ嘘をついてAを現場に1人で向かわせた。」
『うん。着いた時点でそうだと思ってたよ。でもあの時逃げても何にもならなかった。むしろ被害が増えてた。だから私の判断は間違ってなかった。と思う。』
たしかに判断は正しい。
五「……僕がもっとちゃんと上を牽制しておけばこんな事にはならなかった。僕のミスだ。僕のミスでAを傷つけた。ごめん。」
僕が握っていた左手を解き、僕の頭に触れた。
『悟のせいじゃない。上がこんなんだってことぐらい、分かってたから。どこの馬の骨かも分からない女がいきなり2級呪術師として現れてしかもそれが御三家様の術式を継いでるんだから、消したくもなるでしょ。』
五「……」
『それにね、追い込まれたお陰で一瞬だけど領域展開出来たの。』
五「え!?」
『これも恵から聞いてた相伝と一緒だった。一つだけ違う点があってさ。それが影の波に毒が含まれてること。』
五「……」
『あの時は一瞬だったし、向こうも満身創痍だったからかもしれないけど、波に触れた瞬間に呪霊を祓えたんだよね。』
安静にと言われているのに少しハイになっているのか喋り続ける。たしかに呪術を習い初めて2ヶ月で領域展開出来たのは異例の早さだ。
五「A、もう分かったから、」
心做しか顔も赤くなって熱も上がってきていた。
五「今はゆっくり休んで。」
久しぶりにAに口付ける。かさついていているけどいつも通りの柔らかさ。
数回頭を撫でると目を閉じてまたゆっくりとした呼吸に戻った。
五「おやすみ、A。」
返事がないから眠ったんだろう。よかった、と安堵して硝子の所へ向かった。
五「硝子、A寝たから。後よろしく。」
家「わかった。オマエも無理するなよ。」
硝子の言葉を無視して上の連中が集まる会合へ向かった。
.
1290人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華渚(プロフ) - あやさん» うわーーーーん!!いつかできることを願ってます!(泣) (2021年7月23日 20時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 占ツク内検索の検索設定、やっと見つけました! でも…コンテンツフィルダリングは「行わない」になっていました。最後の砦が…(号泣) 私だけ入れない帳が降りているとしか考えられません(ToT) 色々と可能性を考えて下さりありがとうございましたm(__)m (2021年7月23日 20時) (レス) id: 7f35e3342c (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - あやさん» 作品を検索する時にワードを入れるところの下にあります! (2021年7月23日 20時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 「ページ/検索に表示」はONになっています。占ツク内検索の検索設定はどこにありますか? (2021年7月23日 20時) (レス) id: 7f35e3342c (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - あやさん» ページ/検索に表示ってONになってますか?後は占ツク内検索の検索設定でコンテンツフィルダリング行わないにするくらいしか思いつかないです……。ごめんなさい(泣) (2021年7月23日 17時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華渚 | 作成日時:2020年10月28日 21時