ありきたりじゃない恋 (ページ43)

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43.急いでページ43

流石に仕事が休みの日には部屋にはいないだろう。

そう思い、会社はお休みをもらって昼間の家まで帰る。

実家の祖母が危篤で、帰らなければならないと嘘をついてしまった。

バレないだろうと思い、嘘をついてしまったことに罪悪感はあるものの、今の状況ではそんなことに配慮する余裕もなかった。

ついたらすぐに荷物をスーツケースにしまい込む。どこに、どこに隠しカメラが付いてるんだろう。

冬なのに冷や汗をかきながら必要なものを急いで用意する。

「えっと、あとはー・・・」

部屋の中をグルグルと回ってると何かが反射して光ってるのが目に入った。

「・・・？」

不思議に思い近く。

「え、ここ・・・？」

それはドレッサーの近くの棚のドライフラワーの花瓶だった。

明らかに隠しカメラのような黒くて小さいもの。

どうして毎日ここに座るのにこれに気づかなかったんだろう。

どうしてここにこんなものがついてるんだろう。

どうやってつけたんだろう。

考えるのはゾッとしたからやめてマンションを急いで出た。