32.どうしたら ページ32
卓のホームランを、翌日卓のご両親とお祝いした。
私が両親が幼いときに他界していることを伝えたら
卓のおとうさんは
「これからは父親のように頼ってくれていいとよ。」
と言ってくれて、
帰り道に卓のお母さんは
「もしも卓也が調子にのってへんなことしたらすぐに母さんに言うのよ、」
と言ってくれた。
私が好きになった人はこんなに素敵なご両親に育ってられたのだと、実感することができた。
北海道に帰り、いつも通り仕事の日々が続いていたとき卓から連絡がきた。
「え・・・」
内容は「怪我をして一軍を離れることになった。戻れるのがいつになるか分からない。」というものだった。
「北海道には戻ってこないの?」
「しばらくは戻れない」
「そっか・・・野球できなくなるの?」
「うん。」
少しやりとりが進んだあと、電話がきて
「・・・Aっ、会いたい。」
少し震えた声がした。
「今日会いに行く。絶対行くから。」
「・・・」
「卓、泣かないで。」
野球のことは詳しく知らないけれど、きっと去年全試合に出たと言っていたから
今は悔しい気持ちでいっぱいなんだとおもう。
こういうとき、パートナーとしてどう支えることがベストなんだろう。
その休憩時間はお弁当が喉を通らなかった。
368人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時