30.突然の来訪 ページ30
「どーもー!」
ロッカーにギータさんがきた。
「え、どうしたんすか?」
「中島いる?」
「ここっす。」
柳田さんの後ろからAが出てきて
「ほれ、お届けもの。」
「え?!」
驚きがとまらんかった。
「A?!何しとると?!?」
「お〜Aちゃーん!久しぶり〜!」
「卓・・・警備員に捕まっちゃってるところ、柳田さんに助けてもらったの・・・」
「お〜・・・大丈夫ならいんやけど。ギータさん、すいませんでした。」
「お前、ええ彼女もったな!」
「ざす。」
手をヒラヒラさせながら去るとき、Aは「柳田さん!ありがとうございました!!」としっかりお辞儀をしていた。
そして顔を上げたあと、なんとも言えない表情で俺を見ると、
「卓〜〜〜ごめんなさい〜〜〜〜」
と謝ってきた。
「いや、別にいいんやけど・・・」
「Aちゃん警備員に捕まったん?」
「・・・遥輝くん、ばかにしてるでしょ。」
「ええ〜?してへんよ〜」
「顔がもう!してるもん!」
目の前でじゃれてるけど、周りで先輩も後輩もポカーーーンンとしている。
「あ、A、みんなに挨拶。」
「あ!ご、ごめんなさい。」
「あの・・・婚約者のAです。」
「Aです・・・試合前の大事な時間にお騒がせしてしまい申し訳ありません・・・。」
不安そうに頭を下げたAだったが、賢介さんや矢野さんを始め後輩も
「おめでとう!!!」
「これからはAさんもファイターズの一員だね。」
と優しい言葉をかけて祝福してくれた。
「卓、いいこそうだな。」
「賢介さん、ありがとうございます。」
「Aさん、卓と結婚決めてくれてありがとう。」
「あ、いえ、ふつつか者ではありますが、妻としてがんばりますので、どうぞ宜しくお願い致します。」
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作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時