憂いを帯びた泡沫蝶 ページ19
少し遅くなっちゃった。
夜遅くの思い出の国はやけに静かで人はあまりいない。
だけど街頭はしっかりついていて暗くはなかった。
思い出の国と言っても夜の街で女1人は危ないと、早足でリナリア図書館へ向かう。
『こんばんはー.......』
司書さんがどこで寝てるのか分からない為静かに声を出す。
扉の音も極力小さくするために、ゆっくりと閉める。
ただ本を読みに来ただけなのに、泥棒しに来たみたいだ。
ガラス張りの天井からは月明かりのスポットライトを浴びる。
そしてやけに静かなこの空間、一つ一つの足音が響く。
何故か分からないけど神秘的。
昼と変わってないのに。
そんな事を考え周りを見渡していると後ろの方から綺麗な音色が聞こえた。
思わず振り返ればそこに居たのは何の変哲もない蝶。
な筈なのに、羽ばたくたびに聞こえる綺麗な音色。
見えない輝きの欠片を落としていく。
それに目を奪われつい追ってしまう。
魅了するために生まれてきたような蝶々。
少しついて行けば、そこには昼にあった本棚が寄せられて部屋があった。
要するに隠し部屋。
だけど深夜だから油断したのか空きっぱなし。
なのにどうして気づかなかったのか分からないが、隠し部屋の中からも音色が聞こえた。
この音は...
『ヴァイオリン...？』
足音を立てないようにゆっくりと中へ入る。
するとそこにはヴァイオリンを弾いている司書さんがいた。
窓から差し込む光が彼にあたり、白い肌を輝かせる。
優しく閉じた目、白いまつ毛がその光を拾い落としていく。
白く骨ばった手が弓を操れば、従うように音色が響き、
それはまるで＿＿＿＿
『エーミール...？』
非の打ち所のない人形のように。
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ひつまぶし - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます！ (2023年2月10日 13時) (
レス) @page33 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
さなくさ - シャオさんの不人気ネタがこんな良い話になるとは､､､！鬱軍団ええっすね。しょっぴさんがおかんみたいな雰囲気がたまらんです。 (2022年1月19日 21時) (レス) @page31 id: 37c7f9211e (このIDを非表示/違反報告)
ソロ - うわぁ、好きすぎてなんかヤバイ(?)大先生が電話してた、ハミサちゃんはマジ天才だと思った、作者さん天才。 (2021年12月19日 10時) (レス) @page25 id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
西園寺麗奈(プロフ) - 初コメ失礼します、うぽつです！！とっても面白いです……これからも応援してます…！ (2021年12月10日 17時) (レス) @page19 id: 187d02f989 (このIDを非表示/違反報告)
尊敬なるさえ子様(プロフ) - え？好きです (2021年12月4日 21時) (レス) @page11 id: 8684885a5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ZOZOZOZOーん | 作成日時：2021年11月27日 18時
