【d!】物が擬人化して恋するなんて聞いたことないっ！

Butterfly doll ページ18

『懐かしいー』

そう言って1つ1つの記憶を過ぎらせていく。

『うわぁーこれ懐かしい...』


手に取ったのは綺麗な関節人形。
私が中学の頃、中古屋で見つけたもの。
ちょうど絵を描くのにはまっていて、間接人形が欲しいと思っていた。

その時におもちゃのコーナーをみつけふらふらと歩いていたら
目を瞑ったこの子がいた。

特にドレスのような服でもない、シャツにズボン姿の彼。
思わず手に取ってしまった。
その頃の1万円は大金だったから、少々痛い出費だった。
でもその代わりこの子を手に入れた。


そして自身のお金で買ったからだろうか、愛着が湧いてずっとこの子を描いていた。
愛着が湧きすぎるあまり、本を読み聞かせたりした黒歴史。
一緒にお風呂に入ると必ず目を閉じる。
不思議に思ってたけど、面白くてずっと連れ回してたな。

中古だったからか脇腹あたりに蝶々の模様がついていて、
最初は消そうか悩んだけど、後に味になることを確信し消さなかった。


『懐かしいなぁ...』


関節人形の手をあげさせて振ってみる。

なんか黒歴史みたいな名前つけたんだよね。
なんだっけ。







Butterfly dollだ！

英語を習い、かっこいい名前にしたいと絞り出したのがこれ。

センス皆無！！！！！







...窓際に置いとけば自然と蝶が寄ってきて小さな腕に止まってたな。













懐かしさに少し笑みを零しながら、次のおもちゃを手に取った。

憂いを帯びた泡沫蝶→←林檎に巻き付く蛇

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